XMM-Newton and Chandra Observations of the Central Region of M 31

  高橋, 岡田、国分、牧島    2004 ApJ 615, 242 - 252

 XMM-Newton アーカイブから M 31 中心域の拡散 X-線放射データを解析した。0.5 - 10 keV で光度が 4 × 1035 erg/s を超える点源が検出された。 重ねたスペクトルは円盤黒体成分+黒体成分の放射で良く説明され、それが明るい 低質量 X-線連星から来る事を意味する。これらの点源を除去した後、中心核から 6' (1.2 kpc)以内の領域からの放射を足し合わせた。 2 keV 以上のエネルギー域では この残余放射のスペクトルは、主に未分解の暗い点源と除去された点源から漏れ出た 放射光が寄与している。

 残余光にはさらに 6.6 keV の輝線らしきものが載っている。これは高温で 光学的に薄いプラズマからの放射と考えられる。 2 keV より下ではスペクトルは 3つのよりソフトな光学的に薄い熱プラズマ成分を含む。それらの温度は 0.6, 0.3, 0.1 keV である。それらの 0.5 - 10 keV 総光度は 6' 以内でそれぞれ、 1.2, 1.6, 0.4 × 1038 erg/s である。

 チャンドラのアーカイブデータも上と合致する結果を与えた。異なる円環の スペクトルを合体させて3成分がかなり広がっている事が確認された。これらの 結果を以前の研究と比べ、その起源を考察した。




図1.DSSS 画像上の X-線観測域。大きな円= ASCA GIS 観測。小さな円= XMM-Newton MOS。内側四角=Chandra ACIS-S3 観測域。



図2.左: XMM-Newton EPIC 画像。0.4 - 7 keV。円半径=6'。 目立つ8個の小円 は明るい7点源と SSS である。
右: Chandra ACIS-S3 画像。0.45 - 7 keV。円半径= 3'. 小さい円=除去された点光源。


図3.XMM-Newton の PN, MOS1, MOS2 スペクトル。6' 以内の 92 点源の重ね合わせ。


図4.XMM-Newton の PN, MOS1, MOS2 スペクトル。点源、背景光の除去と感度補正 を施した後のスペクトル。




図5.図4と同じだが、 0.4 -7 keV をフィットした。


図7.XMM-Newton 円環領域スペクトルの MKL 温度。




図6.背景光と点源を引いた Chandra ACIS-S3 スペクトル。


図8.4つの X-線成分の 0.5 - 10 keV 表面輝度。