CHFT/8KCCD で 1996 年に M31 に行った V, I バンド M3 領域の観測結果を 報告する。0".206/pixel, 28'.1 × 28'.1 視野である。観測箇所は M31 中心から 30 -35 koc 離れた、南東短軸沿いにある。フィールド星を統計的に 差し引いて、 RGB 星が存在することが確認された。RGB 星の進化経路を内挿して ハロー星のメタル量分布を求めた。ハローメタル量分布は幅広であるが、比較的 高メタル [Fe/H] ∼ -0.5 の種族に占められている。この値は銀河系ハロー の [M/H] ∼ -1.3 と大幅に異なる。![]() 図1.今回観測の M3 領域の位置。他の観測は、M2(Durrell et al 2001), R98(Reitzel et al 1998), B03(Brown et al 2003), H96(Holland et al 1996), S01(Sarajedini/van Duyne 2001), M0(Durrell et al 1994) である。 画像は DSS 2°.5 角。 ![]() 図3.M3 から R1 を引いた残差の光度関数。矢印= TRGB の位置。 ![]() 図5.前景星の V, I 色分布。 斜線=M2。実線=M3 領域。M3 データは M2 に あわせるため 0.03 等ずらした。矢印は 論文 I で述べたブルーエッジ。 ![]() 図7.M3 -3.5 < Mbol < -1.8 のメタル分布。データは測光完全性と 背景星補正済み。 ![]() 図9.実線= 20 kpc 領域。黒丸= 30 kpc 領域、の比較。 | しかし、この領域のメタル分布は形とピーク値の点で、他の研究によるより内側 のハローと似ている。特に我々の 20 kpc 領域とよく似ている。M31 ハローでは 遠方までメタル量の低下が見られない。ハローはどこでも一様なメタル量を持って いるのかも知れない。星計数の結果は r1/4 則と矛盾しない。この 二つの結果は M31 ハローが銀河系的な渦状銀河にではなく、楕円銀河と似ている ことを示す。![]() 図2.M3(左)と R1(右:背景領域) の VI 色等級図。破線= 50% 完全度。 画像分類で非星は除いた。 ![]() 図4.左:掃除後の M3 領域。右:掃除で除去された天体の色等級図。 ![]() 図6.M3 領域の色等級図。実線= VandenBerg et al 2000 の 0.8 Mo 進化経路。 左から右へ、[Fe/H] = -2.31, -2.14, ... -0.53, -0.40. 一番右は Bertelli et al 1994 の 12 Gyr, [Fe/H] = +0.07 等時線。 ![]() 図8.実線=M2 メタル分布(論文I)。黒丸=同領域の新解析結果。 |