M31 PHAT 可視画像を使い, 100pc x 100pc の 9000 領域で CMDs にフィットして、 SFH を 500 Myr 前まで調べた。10 kpc リングは少なくとも 400 Myr まで遡る。 リング位置はこの期間安定していた。星から円盤への浸透により古い種族ほど 広がっている。リング位置の安定性はその起源が衝突による説を疑わしくする。 | 外側の 15 kpc リングは 80Myr 前から星形成が盛んになった。内側 5 kpc リングの星形成度はもっと低い。200 Myr 前にはもっと輪郭がはっきりしていたが、 今では拡散して薄まっている。全体の星形成は過去 500 Myr ほぼ一定であった。 50 Myr 前に過去 100 Myr 平均の 1.3 倍という小さな高まりがあった。過去 500 Myr の間、全星形成の 60 % が 10 kpc リングで起きた。過去 100 Myr の PHAT 領域での星形成率は 7.3 10-4 Mo yr-1kpc-2 で、領域全体で 0.7 Mo/yr である。 |
![]() 図1.20 μm 画像に重ねた PHAT 領域。赤= SFH を求めた領域。黒破線 =混み合いが強く除いたバルジ領域。 |
![]() 表1.50 % 完全性限界と等時線シフト量。 |
MATCH 星軽視は Dolphin 2002 の MATCH コードを使って、 SFH を導いた。 利用者は 年齢、メタル量、距離、減光の巾を指定する。コードは IMF と連星比率も要求する。合成 CMD と観測 CMD との比較は、 ポアソン尤度極大法で行われる。 入力パラメター DM =24.47, 連星率 = 0.35, 伴星の質量分布はフラット、IMF =Kroupa01 を用いた。log t = [6.5, 9.9] を 0.1 dex 区分、[9.9, 10.15] を1区分に 分けて SFH を求めた。等時線には Padova モデル Marigo08 に Girardi10 の 改訂 AGB モデルを足して求めた。[M/H] = [-2.3, 0.1] としたが、「M/H] は 時間と共に増加するとした。 |
減光 減光は3つの成分から成る。 (1)前景減光 一定値 (2)円盤中心面減光 Av (3)領域内での減光の散らばり dAv (3)成分が主系列と古い進化した星とで異なる。そこで、サンプルを F475W-F814 =1.25で切り、主系列に限定する。それが 図2、3の斜線部である。 年齢・メタル量縮退 年齢・メタル量縮退は SFH の頭痛の種であった。しかし、主系列ではそれに よるエラーは小さく、測光エラーに比べて無視できる。さらに、M31 のメタル量 動径勾配は小さく、我々が扱う年齢幅は小さい。このため、この問題は大した ことはない。 |
![]() 図6.SFR 表面密度の時間変化 |
![]() 図8.過去 400 Myr 累積星形成量/総質量のマップ。 |
![]() 図11.総 SFH。 |
![]() 表2.総星形成史。 |