目的 銀河系星間物質の 3Dマップはまだ不完全である。 星間物質量の個々の測定を逆変換する方法を星の可視域色超過 に適用してマップを作成する。 方法 2.5 kpc 以内の星の視差や測光距離が分かる 23,000 個の星の色超過データ をカタログ化した。regularized Basian 法に基づいた逆変換をこの データベースに応用した。これは以前もっと近距離の星に使用されたこと がある。 結果 ダストの空間分布を様々な方向の平面カットで表した。マップには太陽 近傍の濃い雲が現れている。その空間分解能は太陽近傍で 10 pc, 1 kpc より遠方で 100 pc である。 | 近距離で弱い減光の星にバイアスがかかって いるこのデータセットは近くの空洞構造や薄い星間雲の位置を決めるのに特に 有用である。それらは他の手法では扱いにくい対象である。新しいマップには 第3象限に局所泡 (Local Cavity) の CMa トンネルの延長として、 1 kpc 巾の 空虚な空間が現れた。局所泡自体はわれわれはスーパーバブル GSH238+00+09 として、電波マップ上に同定し、オリオンとヴェラの雲で区切られたものと している。ダストマップにはその反対側 l = 70 方向にも狭いトンネルが伸びて 局所泡を引き延ばしていることが示された。 これらは一体として見ると、Lup, Sco, Oph, Aql, Lac, Tau 雲と OB アソシ エイションで限られたはっきりした空洞を形成している。この空洞の連鎖と 周囲の濃い領域は良く知られたグールドベルト=リンドブラッドリングの 計算機による表現である。最後に、 2D マップの高銀緯に現れた銀河面から 離れた構造は全て 3D マップに対応物が現れた。それらは近傍の薄い雲に 付随するダスト分布を与える。 |
3D分布の方法 ライン速度と回転曲線から星間物質の3D分布を出す方法は誤差が大きい。 もう一つの方法では距離の分かった星の減光データを集めて、それから何らかの 方法で吸収分布を推定する。 個々の星の減光から逆変換 Vergely et al 2001 星間 Na I, H I 吸収線データを集め、ヒッパルコス視差で距離を出し、 それらを robust tomographic method により、空間分布に変換した。 Lallement et al 2003 Na I 吸収線とヒッパルコスから局所泡=太陽の周りの巾 100 - 200 pc の 空泡のマップを目指した。 Welsh et al 2006 太陽から 800 pc 以内の 1857 早期型星カタログにある Na I, Ca II 星間吸収線を用いて、600 pc 巾のマップを提示した。Na I は濃い中性 星間物質を、 Ca II は中性、電離双方のガスを追跡する。 |
Vergely et al 2010 逆変換法を発展させ、 Na I マップを更訂した。彼らは星のストレームグレン 測光から 6000 星の赤化を測り、それらを逆変換した。 Reis et al 2011 ストレームグレン測光から近傍の濃い雲、局所泡の境界、トンネル を調べた。よいレビューが付いている。 もっと遠くへ ここではヒッパルコス星に測光距離の分かっている星も加え、 距離を伸ばして、遠方まで減光マップを広げる試みを行う。 |
データ星 スタートはヒッパルコス測定のある星に対する E(b-y)データセット (Vergely et al 2010)である。そこに、B 型星の大きなデータセット (Cramer 1999) のジュネーブ測光からの赤化と距離を加えた。さらに ジュネーブ・コペンハーゲンサーベイの主に F, G 型星を加えた。 最後に Dias et al 2012 から採った星団の距離と赤化を加えた。 |
サンプルの選択 距離が 2.5 kpc 以内、銀河面高度 300 pc 以下、E(B-V) ≥ -0.02, 距離誤差 35 % 以下の星のみを残した。距離の制限は経験から来た。遠い 孤立サンプルを残しておくとマップの模様が徒に細長く伸びてつまらなく なる。 |
Tarantola, Valette 1982 は非線形最小二乗逆変換の一般的な
定式化を開発した。解法の詳細は vergely et al 2010 に詳しい。
3.1.データとエラー3.1.1.色超過データ3.1.2.距離3.1.3.エラー伝播3.2.モデルに関する事前情報相関関数 ψ(x, x′) = 2点 x と x′ の間でのオパシティの相関の核。これがモデルの空間変化のスケールを決める。 ここでは単純にガウス型の核を採用する。
ここに ξ0 = 平滑距離。星間空間の様々なスケールの変動を 表現するには2種類の核を使うとよい。 |
二重の核 使用した核は以下のようである。
ここに、σ(0,1)2 は点 x におけるモデルの 分散である。ξ(0,1) はモデルの特性スケールである。アペン ディクスAにパラメタ―値を与えた。 事前モデルの高度スケール 事前モデルの高度方向密度分布は ρref(r,b)=ρ0exp(-|rsin(b)|/h0) とした。 Vergely et al 2010 に従って、h0= 200 pc とした。 これは普通より大きいが、逆変換の際に上空の薄い構造を逃さないために わざとこうしたのである。 |
![]() 図2.白四角= Vergely et al 2010 の 500 pc 四方の減光マップ領域。 黒線=以前の 3D 分布の dE(B-V)/dr = 0.0002 mag/pc ラインで局所泡を 区切っている。斜線域は以前のマップに現れていた最近傍の濃い雲。 位置によるが、新しいマップはそれら濃い領域をもっと遠いところまで 表現し、又は以前より高い分解能で細かい構造を示す。 使えるのは近傍に限定 マップは太陽を中心に 4 x 4 x 0.6 kpc3 について作成された。 しかし、実際にはその半分くらいはサンプル星がまばらなため、事前モデル から大きくは変わらない。従って、ここに示す結果は中心部分に限られる。 それをはっきり示すため、図A1には b = 0 分布図を示した。また、 サンプル星の分布も示した。もう一度強調するが、減光分布が一様に見える ところは事前モデルに変更が加えられていなかった箇所である。 図1=微分減光の銀河面上分布図 図1は微分減光の銀河面上分布を示す。注意すべきは相関核の効果で、 分子雲コアに対応するような高い値に達するところは見当たらない。 15 - 30 pc 領域で平均化された値に逆変換されているからである。 |
![]() 図3.サンプル密度による到達可能な分解能の分布。 図2=前のマップとの比較 この図を Vergely et al 2010 の我々の 1/4 大のデータベースに基づいた マップと較べたのが図2である。図1のマップの上に以前のマップから計算した 等微分減光線を重ねた。 dE(B-V)/dr = 0.2 mag/kpc が局所泡の境界に 一致することが判る。新しいマップからの等高線は赤線で示され、その 0.16 mag/kpc ラインが局所泡を区切っている。斜線は前マップで濃い雲が 見えたところだが、新しいマップではそれがさらに広い領域の中で位置づけら れている。 空間分解能 図3には到達可能な空間分解能の分布を示した。方向により強いバイアスが あるのは、濃い雲の背後ではサンプル星が疎らで暗くなるためである。 図B1には銀河面から 10 pc 以内のサンプル星の分布を示す。 これを減光分布と重ねて考えると、方向毎にどこまで使えるデータが 得られるかが分かる。 泡 局所泡は太陽を含む巾 100 pc の空泡である。それは多数の分子雲 に囲まれていて、それらは図1に示されている。また、図1には η CMa 方向にある長さ 130 - 150 pc の希薄な領域 = CMa トンネルを示す。 (それがどこか分からない ) 太陽の斜め左下 180 pc にある濃い雲は、二つの空洞の仮の壁を成している。 しかし、この巨大空洞は銀河面の上下に広がっており、Heiles 1998 の漫画 は我々の逆変換マップと良く合っている。このスーパーバブルは 低銀緯側ではオリオン雲、高銀緯側ではベラ雲に l = 260 - 270 で遮られている。 |
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図について 図4−7には15°おきに切った12枚の垂直断面上の減光マップを示す。 面から 25 pc 以内の OB アソシエイションも記載した。 HI, CO 雲も同様である。 雲の距離は文献から採った。Collinder 121 は距離に問題があるので加えていない。 近傍の希薄雲 我々の手法の特徴の一つは、低減光の近傍星が多数含まれていることである。 その結果、近距離の薄い雲の位置を決定できた。実際、全ての断面図に低密度の 構造が現れている。実際それらの方向には シュレーゲルの 2D 減光マップ (以降 SFD 図と呼ぶ) に対応 構造が見える。読者にもその比較が可能にするため、図8ではシュレーゲルマップ 上に図4−7の垂直面上の軌跡を重ねた。 ( 垂直面図で最遠方まで視線方向に 積分した値を SFD 図に投影の意味か?) 面白いことに、図8上の特徴ほぼ全てには図4−7上に対応する密度超過が 存在する。 ( SFD 図高銀緯の構造の こと?低銀緯ではそうはいかないだろう。あかりFIR図で見たい。) 例1:l = 105 - 285 断面 (i) l = 105 北側四半面 SFD 図 l = 105 では、ダストが b = 45 まで広がっている。 図8の黄色等高線 (E(B-V) = 0.04)を見よ。さらに黄色等高線の小さな構造が b = 60 - 80 領域 にまで多数散在している。(黄色じゃなくて黒線だけど。) 図6の l = 105 断面図を見ると、b = [30, 40] の高密度部(紫、緑、黄色)の すぐ上にはもっと弱い構造(薄黄色、オレンジ)が r = 200 pc, b = 45 まで 伸びている。これは 2Dマップの雲であろう。また r ≤ 50 pc には 小さな雲があるが、これらが SFD 図で b = 80 までの弱い構造を形成して いるのであろう。 ( b = [30, 40] の高密度部は Cep (分子?)雲に対応するが、SFD 図上でその存在を確認するのは難しい。 距離の分離がないと FIR だけでは近傍雲と遠方雲の区別は困難らしい。) (ii) l = 285 北側四半面 図8 SFD 図から、前項よりも高銀緯までダストが伸びていることが判る。 E(B-V) = 0.063 等高線(ピンク)は l = 105 では b = +20 だったが、l = 285 では b = +35 である。E(B-V) = 0.04(黄色)は b = 55 まで伸び、一旦消滅 するが b = 75 で再び現れる。断面図の方を見ると、近距離ダスト雲が b = 55 まであり、薄い延長部がほとんど北銀極まで続いていることが判る。 (iii) l = 105 南側四半面 図8では E(B-V) = 0.063(ピンク)は b = -55 を横切る。これは断面図で 170 pc にある雲である。また b = -65, r = 80 pc の雲は図8の b = -70 構造 に対応するのであろう。 (iv) l = 285 南側四半面 図8では E(B-V) = 0.063(ピンク)は b = [-45, -50]まで伸びる。これは断面図で 150 pc にある雲である。図8の b = [-50, -60] にある小さな延長部には 断面図に対応天体が見当たらない。 |
高銀緯構造は近傍のダスト雲 こうして一つ一つ断面図と SFD 図を比べて行くと、SFD 図上の高銀緯構造は ほぼ全て近傍のダスト雲に対応することが判った。 例2:l = 15 - 195 断面 (i) l= 15 北四半分 l = 15 側断面図北側では濃いダスト雲が b = +60 まで伸びている。 この雲は r = 150 pc まで伸びるが、同じ方向にはもっと小さくて薄い 雲が存在する。図8には l = +15 ラインに沿って対応する特徴が見える。 (ii) l= 15 南四半分 断面図の r = 150 pc, b = [-25, -30] には濃い雲が存在する。これは SFD 図 上緑色の構造としてはっきり見える。 (iii) l= 195 北四半分 SFD 図で b = +20 までしか雲は伸びていない。しかし、断面図では b = +30 r = 450 pc に小さな雲が存在するだけで、それ以外にはダストはぞんざいしない のだが、SFD 図では b = +42 まで E(B-V) = 0.04 である。このずれは l = [180, 230] の全体で存在する。したがって、この SFD 図上のダストは 1 kpc 以上遠方にあるのか、検出天体が欠けていたのかのどちらかであろう。 (iv) l= 195 南四半分 SFD 図で b = [-55, -60] まで伸びている。断面図には対応する雲が 存在する。 l = 210 オリオン l = 210 オリオンは中心 b = -15 であるが、CO 雲の中心は数度南にある。 さらに、断面図は SFD マップほどの広がりを示していない。 断面図の 減光度は SFD 図が示すほど強くない。これらの差異はサンプル星が少なく、 特に強い減光を受けた星が暗くなり過ぎて観測不能になることから生じる のであろう。 有名領域 幾つかの有名領域の距離が分かることは興味深い。 (i) 鷲座の裂け目(Aquila rift)l = 30 l = 30 断面図は b = 5, r = 190 pc に始まり, 220 pc 中心の雲複合体が 見える。これは Serpens 雲である。それより少し低銀緯には r = 420 pc に別の雲複合体が見える。これは Dzib et al 2010 が EC95 の距離 420 pc に対応する雲であろう。 (ii) バーナードループ l = 210 断面図にはバーナードループの北限と南限を示すラインを点線で 示した。興味深いことに、これらは r = 170 pc にある二つの細長い雲に 対応している。しかし、ループは 440 pc の距離にあるオリオン雲に付随する と信じられている。その雲自体は 170 pc の先に存在している。われわれは この方向の一致はもっと詳しい研究に値すると考える。 |
l = 82 - 262 垂直断面図 図9に l = 82 - 262 垂直断面図。この方向は特に面白い。と言うのは 図に示すように、そこに多くの議論の的となっている幾つかの天体が存在 するからである。これらは Sushch et al 2011 が全体シナリオにまとめ られた。この逆変換により得た雲の距離はこのシナリオと合致する。 ![]() 図9.l = 82 - 262 垂直断面図。ベラ超新星残骸とウォルフライエ星 γ2Vel も示す。IRAS ベラ殻(IVS)とガム星雲も 書き加えた。 |
l = 160 - 340 断面図 図10は l = 160 - 340 断面図である。この断面には多数の 雲がある。この図の雲の位置は Knude 2010 の定めた距離と一致する。 さらに遠方の Aur-California 暗黒雲はマップ上の非常に濃い領域には 対応しない。それは牡牛座雲のスクリーン効果のためであろう。 ![]() 図10.l = 160 - 340 断面図。Lupus 分子雲を示す。 |
![]() 図11.Dlim = 100, 150, 250, 400 pc までの log E(B-V) 分布。 |
![]() 図12.Dlim = 500, 750, 1000, 2000 pc までの log E(B-V) 分布。第1、第4マップの点線は SFD マップでの E(B-V) = 0.1 ライン。 |
2D マップ E(B-V) = 0.1 ラインとの比較 遠赤外放射による 2D マップと本論文の 3D マップを比較するため, 3D マップから視線に沿った積分により与えられた距離 Dlim までの E(B-V) を図11、12に示した。この図から、2D マップに現れる 雲がどの距離から現れるかが分かる。図12の最初と最後の図には E(B-V) = 0.1 の SFD 等時線を重ねた。最後の Dlim = 2 kpc を見ると SFD 図で測られた減光の大部分は実際には 2 kpc より近距離で生まれて いることが判る。 (誤訳でなければ少しおかしい。 低減光部分は確かに 2kpc までで生まれるだろうが、高減光部はそうでは ない。) 興味深いことに、図4−7の中高銀緯に現れた弱い雲は Dlim = 200 - 300 pc より先の積分赤化図には見当たらない。 これは主に事前モデルで高い減光密度を採用したためである。実際、そこでは スケール高 200 pc としたので銀河面から離れても減光密度はあまり減らない。 この高い事前オパシティの結果、薄い雲自体の積分減光値は全体の積分減光値と 較べると無視できる小ささとなるのである。 (この論理が分からない。元々の 減光導出法の原理に関する無理解のためか? ) この効果の良い例は North Celetial Pole Loop である。これは l = 120 から 170 にかけて広がり、最高高度 b = 40 に達するアーチであり、SFD や プランクマップには明瞭に見える。これは我々の Dlim = 250 pc マップで幅広の広がり(距離は 200 pc)として見えるが、500 pc より先の 2D マップでは全く識別できない。 |
図13と図14には積分減光値が与えられた値に到達する距離を マップにした。これは局所泡の境界がどこで太陽に最も近いのかを 明らかに示している。鷲座の裂け目(Aquila Rift) と上部さそり座、 ケンタウルス座領域の最近接部が目立つ。これらのマップは 図11、12と共に Reis et al 2011 と比較すると、多くの 類似性を表す。将来、ソフトX線背景データの解析からさらに多くの マップが提出されるだろう。 |
![]() 図13.E(B-V) = 0.02 までの距離分布。紫= 300 pc, 黒 = 80 pc. |
![]() 図14.E(B-V) = 0.06 までの距離分布。最短距離= 90 pc. |
最後の図は応答型であり、0.4 mag/kpc 表面を表している。 これは YT ソフト (Turk et al 2011) で作られた。 この3D可視化は細かい構造を見るには適していない。 |
透明表面と細かい部分の観察には、 http://mygepi.obspm.fr/~rlallement/ism3d.html http://mygepi.obspm.fr/~rlallement/ism3dcrevace を見よ。 |
概要 幾つかのカタログのデータを集めて、個々星の距離と赤化の データベースを作った。それを Tarantola, Valette 1982 の 方法で逆変換した。Vergely et al 2001, 2010 が開発した 手法の相関核の表現を新しくした。新しい減光密度マップは Vergely et al 2010 の結果を距離 0.8 - 1 kpc、銀河面の 上下 300 pc まで広げた。 1.前結果と一致 以前のマップと良い一致を見た。逆変換のパラメタ―を注意深く 選ぶと信頼できる結果が得られることを示した。 2.空洞と雲の配置の意味 逆変換の手法とデータセットの特性は、特に近傍空洞の性質を明らかに するのに適している。マップからスーパーバブル GHS238+00+09 に 同定される巨大空洞と、その反対側に伸びる細長い空洞が明らかに なった。主要なダスト雲と空洞の配置はグールドベルト=リンドブラッド リングの形成、Olano 2001 が提案したシナリオ、 すなわち、局所腕とグールドベルトの形成はスーパー雲が 0.1 Gyr 昔に 渦状雲に突っ込んだ結果でるという説に新しい光を投げかける。 Perrot, Grenier 2001 も見よ。実際、雲複合体の大部分は、GHS238+00+09、 局所泡、l = 70 空洞からなる空洞連結帯を取り囲んで存在する。 そしてこれは明らかにこの [60, 70] - [240, 250] 方向が局所星間空間 史にとって特別な役割を果たしたことを示す。この方向は Wolff et al 1999 が発見した星間ヘリウム比の勾配の方向の一つでもある。 |
薄い雲とチムニー 逆変換技法とデータセットの性質はまた、銀河面から離れた薄い 雲の同定に向いている。これらの薄くて広がった雲は FIR 放射では 見えるが、通常の統計手法ではマップ化は無理である。それらは太陽 から 150 pc 以内に同定された。完全にダストを排除した傾いた 空洞があり、ハローへ抜ける煙突との繋がりを与えているが、 この空洞の周りのダスト形状は複雑である。Northern Loop I アークや North Celetial Pole Loop のような薄い雲は 100 - 200 pc の位置に ある。 偶然同方向の解きほぐし マップにより偶然同方向に見える雲を解きほぐすことが出来た。2例を示した。 欠点とその修正 対象星の明るさに制限があるため、濃い雲の向こう側を探ることが難しい。 同じ理由でマップは低減光領域にバイアスがかかり、濃い雲の表現が 不十分になる。将来、もっと暗い星のサンプルが集まると、この欠点が 是正されるであろう。GAIA の成果は大いに助けとなる。 |