Planetary Nebulae Associated with Star Clusters in the LMC


Kontizas, Morgan, Kontizas, Dapergolas
1996 AA 307, 350 - 364




 アブストラクト 

 UK シュミット乾板を調べて作った LMC 星団と惑星状星雲のカタログを調べ、 星団の近くにある惑星状星雲のリストを作った。それらが偶然の一致かどうか の統計テストを行った。  惑星状星雲の前駆天体である C-, M-型星がどのくらいあるか調べるため、 UK シュミット望遠鏡で撮った対物プリズム乾板を用い、個々星のスペクトル 分類を行った。近くに惑星状星雲がある星団は 48 個あった。テストの結果、 その約半分は星団に属すると考えられる。


 1.イントロダクション 

は NGC 1852 内に惑星状星雲候補天体 N 25 を発見した。さらに見つかる可能 性がある。

 2.天体カタログ 

 Kontizas et al 1990 は ESO/SERC シュミット乾板から LMC 星団カタログを 発表した。Morgan 1994 は UK シュミット対物プリズム乾板を調べ、 LMC PN カタログを発表した。後者には 256 PN が [OIII] λ5007 フラックス 一定値以上という基準で選ばれた。今回は Jacoby 1980 が小領域で調べた暗 い PN は無視する。星団カタログは込み合ったバー部分は含んでいない。バーを 除いた領域には 1762 星団と 202 PNe が存在する。

 3.一般考察 

 モンテカルロテスト 

 星団範囲として潮汐半径の平均値 3' を採用する。星団と惑星状星雲の位置 が偶然一致する可能性を調べるために、モンテカルロ計算を行った。 そのため LMC 領域を 256 小領域に分け、n = 小領域内にある PN の数とした時 に n 組の座標をランダムに選んで、それが星団中心から 3' 以内に落ちた例を 数える。これを 105 回繰り返す。位置が重なった例の平均値は 23.5 個である。 

 予想値(1) 

(1)Kontizas et al 1990 の星団内の星数から、星団全体の星数は 5 10 7 個である。一方 LMC は 5 109 個なので、LMC 星の 100 個に1個が星団に所属すると考えればよい。 Peinbert 1993 は LMC 中 PN の総数を 640 個と予測しているので、星団中には 6 - 7 個の PN が見つ かるだろう。

 予想値(2) 

 Phillips 1989 は銀河系で PN 形成率を 2.4 10-3 kpc -3yr-1 と見積もった。PN の寿命を 105 yr とし、 観測された 1762 個の LMC 星団の半径を 50 pc とすると、総体積 は 500 10-6 kpc3 なので、全部かけると星団内の PN の総数として、200 個、あれっ?論文では 87 個だって。とにかくそういうこと。


 4.個々の星団ごとの基準 

 5.結果:表1の説明 

列1: 番号

列2: 星団名。数字=Kontizas et al 1990カタログ。

列3: PN名。

列4: PN タイプ

列5: 星団中心までの距離
列6: 星団中心 1 平方度内で中心 3' 内にPN が見つかった星団数

列7: 4.1.の方法で計算した PN 数。列6/列7=偶然重なる確率

列8: スペクトル型。B,A,M,C は星団内の明るい星のスペクトル型

列9: LPV = Reid et al.1988, Hughes 1989 から


 表1:近傍に PN がある星団 





 図1:星団内(実線)とフィールド(点線)内のスペクトル型分布