天然非晶シリケイト5種と合成ガラス7種の中間赤外減光係数を測った。全て
のサンプルが 10, 12, 20 μm バンドが存在した。バンドパラメタ―は
SiO2 量と良い相関がある。相関が最も顕著なのは 10 μm バンド
である。SiO2 量が減ると、ピーク波長 λm は
長波長側に移り、ピーク強度 κm は下がり、バンド FWHM W
が広がる。λmκmW は 15 % の範囲で一定
である。経験的に次の式が成り立つ。 λm(μm) = 11.10 - 2.30 10-2[SiO2] ±0.15 W (μm) = 5.14 - 4.68 10-2[SiO2] ±0.30 [SiO2]=SiO2 のパーセント重量比である。 |
このように、非晶シリケイトでは、λm と W の間に相関
がある。12 μm バンドでは相関は弱い。[SiO2] が 50 % 以下に
下がると 12 μm バンドはもはやバンドとして認めがたくなる。20μm バ
ンドでは λm は [SiO2] と無関係であり、
κm は [SiO2] が下がると弱くなる。 この結果を天体観測と比較して、ピーク波長 λm = 9.7 μm, バンド幅 W = 2.5 - 3.0 μm から、[SiO2] = 48 ±8 % を得た。 |
サンプルは磨り潰してから、KBr に混ぜてペレットにして透過率 T を測定
した。減光係数 κ は次の式で定義される。S = ペレット面積、
M = ペレット内のサンプル質量として、 κ = (S/M) ln(1/T) 図1.天然非晶質シリケイトと溶融ガラスの密度。黒丸=天然ガラス。 白丸=溶融シリカ [SiO2] = 100 %. と 玄武ガラス [SiO2] = 45.21 %. |
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![]() 図2a.天然非晶質シリケイトの減光係数 |
![]() 図2b.溶融ガラスの減光係数 |
![]() 図3a.上:ピーク強度 κm と [SiO2]. 下:ピーク波長 λm と [SiO2]. |
![]() 図3b.バンド幅 W と [SiO2]. ![]() 図3c.λmκmW と [SiO2]. |
![]() 図4.上:12 μm バンドのピーク強度 κm と [SiO2]. 下:12 μm バンドのピーク波長 λm と [SiO2]. |
![]() 図5.上:20 μm バンドのピーク強度 κm と [SiO2]. 下:20 μm バンドのピーク波長 λm と [SiO2]. |
![]() 図6.ピーク強度の比 κm(10μm)κm (20μm) と [SiO2]. |
![]() 図7.10 μm バンドピーク波長 λm と [SiO2]. 黒丸=天然非晶シリケイト。白丸=合成ガラス。バツ=合成非晶シリケイトの 他のデータ。 実線はフィット直線と ±0.15μm |
![]() 図8.10 μm バンド巾 W と [SiO2]. 黒丸=天然非晶シリケイト。白丸=合成ガラス。バツ=合成非晶シリケイトの 他のデータ。 実線はフィット直線と ±0.3μm |
![]() 図9.10 μm バンド巾 W と 10 μm バンドピーク波長 λm 黒丸=天然非晶シリケイト。白丸=合成ガラス。バツ=合成非晶シリケイトの 他のデータ。 四角=含水シリケイト。 実線はフィット直線と ±0.3μm |