M dwarf Spectra from 0.6 to 1.5 Microns: A Spectral Sequence, Model Atmosphere Fitting, and the Temperature Scale


Kirkpatrick, Kelly, Rieke, Liebert, Allard, Wehrse
1993 ApJ 402, 643 - 654




 アブストラクト

 M2 - M9 に至る M 型矮星の系列に沿って、 0.6 - 1.5 μm スペクトルを提示する。 温度に鋭敏で、スペクトル分類に使える吸収線が多数同定された。それらの形を最新の モデルと比べた。そこから温度スケールを導いた。モデルスペクトルの可視域は M6 より 早期の星で良く合う。それより晩期になると、赤外域の方が観測に良く合う。 導かれた温度は以前の結果より高い。低光度になるほどその差が著しい。その結果、 HR 図上での M 矮星の位置は理論モデルと良く合うようになった。

 2.データ

 可視観測は MMT で、赤外観測は Steward Obs 2.3 m 望遠鏡で行われた。

 4.可視スペクトルと赤外スペクトルの結合 

 可視スペクトルと赤外スペクトルの結合は重なり部分を最少二乗法で合わせて行った。



表2.





表1.観測記録




図1.8星のスペクトル。早期 M 型矮星では、可視域に比べると赤外域の スペクトルは吸収線が弱い。しかし、晩期 M 型矮星では、赤外域吸収線も強くなる。 特に 1.35 μm の水蒸気吸収が著しい。




図2.吸収線の同定。(a) GL 411.M2V。(b) GL 752 M8 V. VO, OH, FeH, H2O の バンドが温度指示計として働く。





図3.可視スペクトルへのベストフィット。





図4.M8 矮星スペクトルとそのベストフィット。0.9 - 1.0 μm で連続光フィットに 失敗している。モデルには FeH 0.99 μm と VO 1.3 μm が欠けている。0.93 μm の TiO バンドは過小である。





図5.赤外スペクトルとそのベストフィット。





図6.M 矮星の HR 図。黒三角=この論文。白三角=Berriman, Reid 1987. 白四角=Veeder 1974. (a): 太い実線=DMの理論主系列。細い実線=10 Gyr 等時線。 (b): 理論モデルの比較。