A Remnant of a Large-Scale Explosive Event in the Galactic Plane around Longitude 60°


Kargert
1969 AA 1, 54 - 61




 アブストラクト

 HI 21 cm 観測から、 l = 60° 付近に奇妙な天体が存在するようである。 その天体の著しい特徴は、その視線速度がその方向の回転速度を 7 km/s も 上回っていることである。内部速度分散は 3.5 km/s で、平均柱密度は 2.6 × 1020 H cm-2 である。直径 4° の円環状構造から、 この天体は爆発現象により生じたものと考えられる。

 1.イントロダクション 

 銀河回転曲線の観測の際に、 Shane, Bieger-Smith 1966 は l = 66.0, b = 0.0 で大きな速度の拡大に気付いた。しかし、 観測目的からそれるため、この特徴は無視された。そこで、今回 Dwingeloo 25 m 望遠鏡、ビーム巾 0.6° でこの付近の速度構造を調べた。 その結果、 l = 61.5, b = -0.3 を中心に円環構造が発見された。

図2.b = -1.0 での光学的深さ。横軸= VLSR.
l = 58, 63 で右に伸びる2つの尾根がシェル。



図4.柱密度分布。黒点=観測しなかった場所。

 5.解釈 

 大きさ 

 リングは l = 61.5, b = 0.0 を中心に直径約 4° の大きさを持つ。 l ≤ 59 では糸状構造が銀河面の外側にはみ出している。
停止か膨張か 

 膨張なら、中心位置で速度偏差が最大になる現象がみられるはず だが、中心部ではガスがない。シェルが非等方なのかも知れない。