マゼラン雲中に低光度のダスティな進化した星の種族を発見した。それらは ダスティな post-AGBs と似た SEDs を持つ。しかし、光度は低い。 それらは連星相互作用の結果 AGB の手前 RGB 段階でそこから離れた星ではな いか? | それらは系列 E の RGB 変光星と関係がある。それらの数は予想される post-ERGB 星の誕生率とオーダーで合う。観測の完全性と post-RGB 進化速度 の不定性が問題である。マージャーの議論もある。 |
連星進化 連星系で AGB 先端になるまでロシュローブを満たさなかった場合、単独星 進化を全うする。しかし、AGB 途中でロシュローブを満たした時には共通外層 が発生し、近接連星かマージャーとなる。または、質量比が非常に限られた範 囲にある時には、ロシュローブからあふれた安定な質量転送が生じ、 中間周期連星が形成される。星周円盤に囲まれたpost-AGB はそのような形の 典型例であろう。 |
RGB で溢れたら RGB 期に溢れたら共通外層経由の大きなマスロスが起き、RGB からの離脱と なる。その場合、He-core wd, core-He 燃焼準矮星 G-型星、マージャーの いずれかが考えられる。マージャーはより高質量の孤立星として進化する。 ある質量比範囲ではロシュローブから安定にあふれて、RGB 進化が停止する。 その時には L 一定で Teff が上昇する。これが post-RGB 星である。 |
post-AGB 候補 可視光で明るい post-AGB 候補をマゼラン雲で探した。 AAOmega 多体ファイバー分光器観測を行い、 Teff, log g, [Fe/H], E(B-V) を 得た。 TRGB 光度以下のpost-AGBs ? 多数のダスティ天体が TRGB 光度= 2500 Lo 以下であることが判った。 それらの数は SMC で 42, LMC で 119 である。 それらは赤外超過を持ち、 log g = 0 - 2 で、A - K スペクトル型を有し、 光度以外は post-AGB によく似る。図1にそれらの HR 図を示す。 |
![]() 図1.赤丸=LMC post-RGBs. 青丸=SMC post-RGBs. 実線:(Y,Z)=(0.23, 0.004) Bertelli et al. 2008, 2009 の MS-AGB 進化。. 点線:(Y,Z)=(0.238, 0.004) Tognelli et al. 2011 のPMS 進化. post-RGB 進化の光度は RGB L-Mc 関係 (Bertelli08 にフィットして決めた。 シアン斜線=主系列 |
紛れ込み天体 post-RGB 星と似た天体として、 (1)中間質量のヘリウムの核燃焼星 (IM-CHeB) |
(2)ダスティ前駆主系列星 (PMS) (3)早期 AGB 星 (E-AGB) がある。それぞれについての検討が続く。 |
post-RGBs の誕生率 図2で観測とモデルを比較。観測値の方が 6 倍高い。 |
![]() 図2.紫丸=LMC における TRGB 以下での巨視星離脱 観測誕生率= post-RGB と post-EAGBs の誕生率。 黒実線=モデル予測誕生率。赤線=モデル post-RGB 誕生率。 青線=モデル post-EAGB 誕生率。 |
マゼラン雲での post-RGB 星の発見 マゼラン雲に進化した星で、ダストが多く、低メタル、低 log g で低光度の種族を発見した。それらの星は光度が低い以外は post-AGBs とよく似る。 連星進化の産物 それらの星の誕生率をモデルと観測で比較すると、オーダーの範囲で 一致する。それらは連星の進化で生まれた可能性が高い。 |
連星進化の産物 それらの星の誕生率をモデルと観測で比較すると、オーダーの範囲で 一致する。それらは連星の進化で生まれた可能性が高い。 |