The Initial-Final Mass Relation: Direct Constraints at the Low Mass End


Kalirai, Hansen, Kelson, Reitzel, Rich, Richer
2008 ApJ 676, 594 - 609




 アブストラクト 

 これまでの初期ー最終質量関係は散開星団中約40の Mi = 2.75 - 7 Mo 星 から導かれていた。ここでは、CFH12K/CHHT 測光器と Keck LRIS 多体分光を用 いた NGC7789 (1.4 Gyr) と NGC6819(2.5 Gyr) 中の 22 白色矮星の観測結果を 報告する。バルマー線を大気モデルに合わせることから、初期ー最終質量関係 の質量下端側に制限を付けた。Mi = 1.6 Mo からは 0.54 Mo WD が生まれる。  非常に古い散開星団 NGC 6791 の新しいデータにより、 Mi = 1.16 Mo (Mf =0.53Mo)まで初期ー最終質量関係を伸ばした。星団中の白色 矮星サンプルはまた幾つかの興味深い系を含む。DB=ヘリウム白色矮星、 磁気白色矮星、DAB =DA+DB の二重縮退か水素/ヘリウム混成大気、 それに等質量DA二重縮退連星系である。


 1.イントロダクション 

 多数の WDs の発見 

 SDSS は銀河系内の WDs 数を 10,000 個に増やした。WD 光度関数が Mbol = 15.3 で突然途切れることが分かった。また HST 観測により M4, Omega Cen, NGC 6397 に数千の WDs が発見された。

 古い星団の観測は難しい 

 本研究以前には最も古い散開星団はヒアデスとプレセぺであった。 それらの年齢は 600 - 700 Myr で、 Mto = 2.75 Mo に相当する。 それより古い星団の観測は以下の理由で困難であった。 (1) それらの測光観測が存在しない。

(2)既知の大きく古い星団が遠い。

(3)古いため、星団内 WDs の多くが冷え切ってしまい、観測には暗すぎる。  
 下限質量 

 NGC 7789 と NGC 6819 はヒアデス、ペルセペの 2- 4 倍古い。 CFHT を用いた V = 25 mag までの観測でそれらの WDs 観測が可能となった。 その結果数百の WDs が発見され、Keck 10m 望遠鏡により分光観測が行われた。 その結果 Mi = 1.6 Mo まで I-F 関係を伸ばすことができた。さらに最近 行われたより古い星団 NGC 6791 の観測から Mi = 1.16 Moまで可能となった。


 2.CFHT 測光 

 

表1.観測ログ  





図1.NGC 7789 と NGC 6819 の CMDs。非常に細い主系列、ターンオフ、水素 燃焼停止に伴う収縮が原因の「フック」、巨星がはっきり見える。これまでに ない深い撮像で、右下に WDs が見える。最も古い WDs は V =26−27 で見えない。

 3.CMDs 


図2.NGC 7789 の距離 (m-M)=12.5 は星団主系列をヒアデス(灰色点)と合わ せて決めた。

 3.1.距離と年齢 

 距離 

 二色測光では距離と赤化が縮退して決められないが、多色測光データからの 赤化が他に得られている。NGC 7789 では E(B-V) = 0.28 である。

図3.VandenBerg06 の等時線フィットから t = 1.4 Gyr(NGC 7789) と 2.5 Gyr (NGC 6819) が得られた。


 4.Keck 分光 


図4.NGC 7789 と NGC 6819 中の分光観測を行った 28 WDs. これらは 0.6 Mo WD 冷却経路の周辺に位置し、やく 3 mag の 巾に分布する。

  

 

  

 

  

 

表2.WD 候補の位置と等級

  

 

  

 

  

 





図5.WD 候補の V バンド CFHT 画像。画像は EW 1', NS 35" である。




図6.上: S/N の良い WD 候補星の Keck LRIS スペクトル。 下:特異 WDs のスペクトル。




図7.暗い 9 WDs のスペクトル。S/N が低すぎて、バルマー線の形を正確に 決められない。したがって、温度、重力を導けない。全て DA タイプである。




図8.WD 大気モデルのフィット。


表3.WD 候補 の性質

 7.主系列寿命と質量 

 8.初期ー最終質量関係 


図9.理論等級と」観測等級の比較。二つは一致し、孤立星であろう。 二つは観測が 0.75 mag 明るく、連星かも知れない。

図10.上:サルピータ質量関数では M > 2.75 Mo には質量全体の 13 % しか含まれない。M > 1.16 Mo だと 55%になる。 下:小黒丸=以前の星団内 WD の平均値と散らばり。大黒丸= 今回の結果。左端は NGC 6791 の一個のCO WDによる。 実線=第1熱パルス期のモデルコアマス。点線=Marigo01による モデルI−FMR.



図11.総マスロス量の初期質量に対する比率。今回の新しいデータは 右側の3つの大黒丸である。点線=Marigo01 の理論曲線。うえから Z = 0.019, 0.008, 0.004 である。実線=観測へのベストフィット。

 

図12.I-F MR.実線=星団平均点への直線フィット Mf = (0.109±0.007) Mi +0.394±0.025 Mo

 


 9.議論と結論 

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 





図.


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