これまでの初期ー最終質量関係は散開星団中約40の Mi = 2.75 - 7 Mo 星 から導かれていた。ここでは、CFH12K/CHHT 測光器と Keck LRIS 多体分光を用 いた NGC7789 (1.4 Gyr) と NGC6819(2.5 Gyr) 中の 22 白色矮星の観測結果を 報告する。バルマー線を大気モデルに合わせることから、初期ー最終質量関係 の質量下端側に制限を付けた。Mi = 1.6 Mo からは 0.54 Mo WD が生まれる。 | 非常に古い散開星団 NGC 6791 の新しいデータにより、 Mi = 1.16 Mo (Mf =0.53Mo)まで初期ー最終質量関係を伸ばした。星団中の白色 矮星サンプルはまた幾つかの興味深い系を含む。DB=ヘリウム白色矮星、 磁気白色矮星、DAB =DA+DB の二重縮退か水素/ヘリウム混成大気、 それに等質量DA二重縮退連星系である。 |
多数の WDs の発見 SDSS は銀河系内の WDs 数を 10,000 個に増やした。WD 光度関数が Mbol = 15.3 で突然途切れることが分かった。また HST 観測により M4, Omega Cen, NGC 6397 に数千の WDs が発見された。 古い星団の観測は難しい 本研究以前には最も古い散開星団はヒアデスとプレセぺであった。 それらの年齢は 600 - 700 Myr で、 Mto = 2.75 Mo に相当する。 それより古い星団の観測は以下の理由で困難であった。 (1) それらの測光観測が存在しない。 (2)既知の大きく古い星団が遠い。 (3)古いため、星団内 WDs の多くが冷え切ってしまい、観測には暗すぎる。 |
下限質量 NGC 7789 と NGC 6819 はヒアデス、ペルセペの 2- 4 倍古い。 CFHT を用いた V = 25 mag までの観測でそれらの WDs 観測が可能となった。 その結果数百の WDs が発見され、Keck 10m 望遠鏡により分光観測が行われた。 その結果 Mi = 1.6 Mo まで I-F 関係を伸ばすことができた。さらに最近 行われたより古い星団 NGC 6791 の観測から Mi = 1.16 Moまで可能となった。 |
![]() 表1.観測ログ |
![]() 図2.NGC 7789 の距離 (m-M)=12.5 は星団主系列をヒアデス(灰色点)と合わ せて決めた。 3.1.距離と年齢距離二色測光では距離と赤化が縮退して決められないが、多色測光データからの 赤化が他に得られている。NGC 7789 では E(B-V) = 0.28 である。 |
![]() 図3.VandenBerg06 の等時線フィットから t = 1.4 Gyr(NGC 7789) と 2.5 Gyr (NGC 6819) が得られた。 |
![]() 図4.NGC 7789 と NGC 6819 中の分光観測を行った 28 WDs. これらは 0.6 Mo WD 冷却経路の周辺に位置し、やく 3 mag の 巾に分布する。 |
![]() 表2.WD 候補の位置と等級 |
![]() 図9.理論等級と」観測等級の比較。二つは一致し、孤立星であろう。 二つは観測が 0.75 mag 明るく、連星かも知れない。 |
![]() 図10.上:サルピータ質量関数では M > 2.75 Mo には質量全体の 13 % しか含まれない。M > 1.16 Mo だと 55%になる。 下:小黒丸=以前の星団内 WD の平均値と散らばり。大黒丸= 今回の結果。左端は NGC 6791 の一個のCO WDによる。 実線=第1熱パルス期のモデルコアマス。点線=Marigo01による モデルI−FMR. |
![]() 図11.総マスロス量の初期質量に対する比率。今回の新しいデータは 右側の3つの大黒丸である。点線=Marigo01 の理論曲線。うえから Z = 0.019, 0.008, 0.004 である。実線=観測へのベストフィット。 |
![]() 図12.I-F MR.実線=星団平均点への直線フィット Mf = (0.109±0.007) Mi +0.394±0.025 Mo |
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