Jones et al. (1983)     1-9Mo星は1stOTからFundamentalへ 変わり、タイプII OH/IR星になる。

"OH/IR Masers IV. Evolution, Pulsation, and Nature of the Sources"
Jones,T.J., Hyland, Wood, Gatley        1983, ApJ 273, 669-680

OHメーザーの分類
タイプ 特徴 どんな星?
VM I L<104Lo, 低ΔV、強H2O吸収 高メタル1-2.5MoのFundamental mode
VM II Mbol>-7.1,高ΔV、強H2O吸収 VM Iよりマスの大きなAGB?
SG L>104Lo, ΔV>29 km s-1、弱いH2O吸収 M>9MoはOKだが、(5-9)Moは?

VM I の脈動モードを調べるために左下の図を用いる。Q=PM0.5R-1.5と L=R2Te4から、logTe=(1/4)logL+(1/3)logQ-(1/3)logP-(1/6)logM 
M=1Mo, 運動近距離からのLと観測Pを入れると、Q=0.12(fundamental), 0.05(1st OT)に対して Teが決まる。同時に進化モデルのパスをZ=Zo,5Zoに対し載せた。Fundamental mode なら計算に 合わせられるが、1stOTではとてもむりであることが分かる。
今ならデータ点はずっと多いだろう。現在の進化モデル だとどうなるか。右下にMarigo et al 2008 の計算パスを並べた。

;    
1stOTではTeが低すぎる。 log t=9(Mto=2.3Mo)と、=10(Mto=1.05Mo)のMarigoモデル


M<2.5Moの進化の慨像

(1) AGBのどこかでミラになる。まだメーザーはなし。
(2) Lが上昇しメーザーに。タイプI(メインライン)か ,II(1612MHz)か不明
     古典ミラでのP-L, ΔV-L関係なし

図の箱はマゼラン雲の古典ミラ。箱内の実線=1stOT脈動質量一定線。
図の□=SG,○=VM,●=?
図でOH/IRの大半はマゼラン箱より右にあり、周期Pは箱の右縁の倍以上。
マゼラン箱の右縁で1stOTからFundamentalへの遷移が起きるのでないか?
OH/IRのみでFundamental mode の粗いP−L関係が見える。
図の右下に星がない。低Lメーザーは短周期に固まっている。P<400dの低L ミラは1-2.5Moである.



進化シナリオ

1) 1<M<4 
  (a) AGBの初めは非変光星
  (b) 1stOT の古典ミラとなる
  (c) タイプIメーザー(R Cas, οCet)
  (d) 次にΔV<10km/sのタイプIIメーザー(R Cas, οCet)
  (e) マゼラン箱の右縁に達し、ΔV=39km/sになる。依然1stOT
      IRCミラ(IK Tau, WX Psc)が該当する。
  (f) スィッチング発生。図右側に飛んでTypeII OH/IR 誕生
2) 4<M<9
  (1)と同じシナリオを辿りそう。
3) 9<M
  Lが大きいのでスィッチングはなくてもメーザー可能
  VX Sgr, S Per などは1stOTと矛盾しない。


ないか (と書いてあるが根拠は不明)