The Recent Evolutionary History of the Cluster System of the LMC


Hodge
1973 AJ 78, 807 - 810




 アブストラクト 

 LMC 各星団中の最も明るい星の等級を区分規準に使い、星団分布が年齢と共に 変化する様子を調べた。509 個の若い星団に年齢を与え、最近の星団形成の 空間パターンを調べた。星団形成率は 1/3×104 yr である。

 本文 

 星団の最も明るい星を主系列先端として年齢を出す 
 LMC 星団は 1604 個 (Hodge, Sexton 1966) で、内 509 個には V = 15.5 (Mv = -3.4) (DM=18.9 ?) の星が見つかっている。これらの星団が 今回の仕事の基礎となる。星団の年齢を定めるため、星団の最も明るい星は 主系列先端であると考える。この仮定や測光誤差などから生じる誤りは 1 Myr 程度であろう。この方法で決まるのは 15 Myr までである。

 星団の分布の特徴 
 図1には形成時期 1 Myr 毎に星団の分布を示した。

(1).過去 1400 万年の平均星団形成率= 1 星団 / 3 万年 である。

(2).この割合だと過去 10 Gyr では 30 万星団が誕生したことになる。

(3).そこに含まれた星の総質量は 107 - 108 Mo である。

この質量は LMC 質量 1010 Mo の 1 % になる。つまり、LMC の星の 約 1 % は星団として誕生したのである。



図1.左上= LMC の特徴を図示。後は 100 万年区切りの星団分布。
怪しいが踏み込んだ解釈 
 図では 100 万年区切りにしたが 50 万年にするとグループの特徴はもっと はっきりする。しかし、年齢精度が大きいので統計的解析は難しい。下に 述べる解釈はあくまで仮のものである。

(1).星団の 60 % は空間的時間的に孤立したグループとして生まれる。

(2).はっきりした 12 グループの平均の大きさは 93" = 1.5 kpc(?)

(3).グループ形成時間は 100 万年より短い程度。

(4).グループの平均星団数=24

(5).12グループが 1400 万年にできた= 1 グループ / 100 万年。

(6).グループの質量= 1 万 - 5 万 Mo

(7).グループの形成は巨大分子雲と結び付いている。これは HIIR のグループなど でも支持される。



図1(続き)