G8 - K1 型の227星に対して 33 A/mm 分光観測を行い、 MK 分類と光度を求めた。 | 光度関数には準巨星の付近に著しい極小が見られた。分光視差 と空間運動を全ての星に求めた。24 星では銀河面内の速度が 65 km/s を越えた。 |
太陽から 300 pc 以内の G8 - K1 型星の光度関数を求めた。 スペクトル型の制限は G8 で巨星の数が急増すること、もう一つは K1 より晩期型では準巨星が全く消えることによる。 G8+G9 型星をまとめ、 K0+K1 型星をもう一つにまとめた。 | Gratton 1933 と Stromberg および Oort 1932 は互いに全く異なる 光度関数を公表した。Gratton の光度関数が巨星から矮星にかけて 連続的に増加していくのに対し、Stromberg の光度関数は準巨星部に はっきりした極小を示した。 |
観測 33 A/mm スペクトルが DDO 74インチ望遠鏡で得られた。 スペクトルの大部分は視線速度測定のために以前に撮られていた。 全体で G8 - K1 にある 453 星が MKシステムで光度クラスと スペクトル型に分類された。内 82 個は既知の視差のために観測 されたのでここの光度関数研究には含めない。 光度クラス 残りの 371 星のスペクトルを眼視測定して、分類を行った。しかし 特に光度クラスの精度が不足して光度関数の構成が難しかった。 このため最近 Hossack 1953 が開発したマイクロフォトメタ― を用いて 光度番号=光度クラスの十進法表現を得た。 |
光度クラスの決定には次の4つのライン比; 4191/4196, 4202/4196,
4202/4215, 4250/4215 を用いた。超巨星と明るい巨星は全体の約 2 % を
占めるが、4233/4236 が用いられた。露出が不足気味だったので、4077/4071
は用いなかった。マイクロフォトメタ―に適したスペクトルがあったのは、
227/371 星であった。
表1=サンプル星の特性 それらの結果を表1に示す。第1列=HD 番号、 第2列=光度番号 L、第3列=スペクトル分類、第4列=見かけ実視等級、 第5列=実視絶対等級。絶対等級は光度番号とスペクトル型から与えた。 第6列=分光視差、第7列=三角視差。最後の4列は、固有運動の位置角、 接線速度、視線速度、空間総速度である。 |
表2=光度分布 表1の星の光度分布を表2に示す。G8 と G9 星は一つに、 K0 と K1 星を 別のグループにまとめた。表の区分は第1列のように、1光度クラスの 1/5 とした。第2、7列に観測星数を示す。第3、8列に小さな増減を平滑化した 数を示す。(少数点が省いてあるから注意) 光度クラスエラー 4つの線強度比の夫々から出した光度クラスの散らばりからエラーを評価 した。 G8+G9 群では ±0.11, K0+K1 群では ±0.14 であった。 これらのエラーを考慮して、(どうやったかよく分からないが)補正した 分布を第3、第8列に示す。 矮星への補正 矮星群の 65 % は DDO で、Catalog of Bright Stars に載った北天の 星の視線速度リストを補完する観測のために選ばれた星である。初期の 研究では固有運動の大きな星の視線速度を求めようとしたので、必然的に DDO 観測では固有運動が大の星の割合は小さくなった。BSC 中の G5 - K5, mv = 5.8 - 7.0 の星を調べた結果、固有運動が 0".21/yr の星では DDO 観測は無バイアスであるが、それより大きいと DDO サンプルの割合は 減少することが判った。減少率を固有運動の6区分ごとに評価した。 G8+G9 群の 70 星と K0+K1 群の 70 星が選択効果の影響を受けた固有運動 区分からの星であった。この補正は最高で3星に達した。 |
最終補正 これ等の補正は、接線速度を 50 km/s と仮定して、固有運動から絶対等級 へと変換される。こうして第5、第10列に最終結果が示された。 絶対等級はサンプル星の存在する体積を決める。例えば、G8+G9 群の 第5行と第6行の境界等級は、(スペクトル型、光度番号)で、(G8,2.9), (G9,2.9), (G8,3.0), (G9, 3.0) の4つの絶対等級の平均値を用いる。 i-番目の平均等級を Mi とする。対応する相対半径を log Ri = -0.2 Mi で定義すると、相対体積は次の値に比例する。 (Ri)3 - (Ri+1)3 (何でか?分からん。) 相対体積が決まると、表2の第5、第10列を対応する相対体積で割り、 相対光度関数が得られる。それを第6、第11列に示す。立方パーセク当たり の数を表す絶対光度関数は求めない。サンプル星はほとんどが 300 pc 以内 にある。 図1=LF(G8+G9), 図2=LF(K0+K1) 図1と図2に、相対光度関数を示す。破線はエラー分散補正を行わなかった 場合である。 |
![]() 図1.G8+G9 星の相対光度関数。 |
![]() 図2.K0+K1 星の相対光度関数。 |
4.光度関数の議論光度番号 3.6 付近、絶対等級 +2 付近にある極小は重要である。 これら準巨星は通常の巨星や矮星と較べ、G8 - K1 で数が少ない。 |
5.空間運動 |
マイクロフォトメタ―によるスペクトル解析から 227 星の光度関数を得た。 光度関数には準巨星の付近に強い極小がある。強調すべきはこの特徴が G8 - K1 型星に対して得られたということである。 | G8+G9 群と K0+K1 群で比較すると G8+G9 群の方が極小がはっきりしている。 この結論は光度番号から絶対等級への変換に大きく依存する。 |