Circumstellar Dust Shells around Very Young and Massive Stars


Gurtler, Henning
1986 ApSS 128, 163 - 177




 アブストラクト 

 BN 天体に代表される非常に若く、大質量の赤外源の周囲のダストの性質を調 べた。10 μm バンドと 3.1 μm 氷バンドの深さに相関がないことが判った。 シリケイトバンドの強さと 8 - 13 μm カラー温度に負の相関がある。BN型 天体のこの関係は、既にミラ型星や OH/IR 星で知られている関係をさらに拡大 する。  BN型天体の輻射輸達モデルを計算して、その性質を調べた。その結果、 非常に若い天体のダストは酸素過多の巨星や超巨星の周辺にあるダストと 異なるという結論に達した。それらは定性的にはそれぞれ、パイロキシンと オリビンに結び付けられる。


 輻射モデル 

 パイロキシンとオリビン 

 ダストの性質が赤外天体スペクトルに与える影響も考えるレベルまで来た。 実験室スペクトルと天体観測スペクトルの比較から、宇宙シリケイトは非晶質 で、特にオリビンとパイロキシンのグループが候補として残る。オリビンと パイロキシンの大きな差は吸収ピーク波長である。パイロキシンは 9.5 μm にピークを持ち、一方オリビンは 10 μm 付近がピークとなる。
 天体スペクトルも2分 

 BN 型天体と T Tau 型星のピークは 9.5 μm に来る。 Draine, Lee (1984) は Ney-Allen 星雲のデータをシリケイトの実験室データとつなげて "astronomical silicatee" の光学定数を導いた。一方、酸素過多晩期型星から、 Henning et al. (1983) Pegpourie, Papoular (1985) は 10 μm 付近がピークとなるダスト吸収係数を導いた。 どうも、若い天体ではパイロキシン型、晩期型星ではオリビン型らしい。



図4.τC = 0.05 のモデルスペクトル。実線=パイロキシン。 破線=オリビン。T1=1000K.  

図5.τC = 5.0 のモデルスペクトル。実線=パイロキシン。 破線=オリビン。T1=1000K.  


 W3-TRS5 へのフィット 

 

図6.三角= W3-IRS5. 丸=パイロキシンモデル。十字=オリビンモデル。 パイロキシンの方がフィットが良い。