年齢 < 1 Gyr の若い SMC/LMC 星団の年齢と空間分布を Magellanic Cloud Photometric Survey データを用いて調べた。年齢が知られた星団の光度は全て 求めた。324/SMC と 1193/LMC 星団の年齢はパドヴァ等時線モデルを CMD にフィットして決定した。星団年齢は 10 Myr から 1 Gyr に及ぶ。SMC 星団に対しては、(m-M)o = 18.90, Z = 0.004, LMC には、 (m-M)o = 18.50, Z = 0.008 を使った。色超過は場所で変わると考えた。 | どちらの銀河にも、星団形成には二つの活動期があることが判った。SMC では 160 Myr と 630 Myr, LMC では 125 Myr と 800 Myr である。若い星団の形成史 に対しては空間分解した表示を示す。最初のピークは SMC と LMC の近接遭遇 が原因と思われる。どちらの銀河でも最も若い星団が存在するのは、超巨大シェル、 巨大シェル、シェル間領域、強い Hα 領域で、それらの形成は膨張と シェル・シェル相互作用と関係することを示唆する。星団の大部分は超巨大シェル の力学年齢より高齢である。星団が溶解する証拠は見出されなかった。計算された V バンド光度は年齢と共に暗くなる傾向を示す。また星団半径が大きくなると 明るくなる傾向もあった。 |
![]() 図1.SMC 星団 NGC 376 の空間分布。赤バツ=星団中心。最内側の青色一点 鎖線:rapp = 0.9 arcmin. 青実線=中心から 1 arcmin. 青破線=中心から 2 arcmin. この二本の円の間の星はフィールド星として、 図2、3下側図にプロットされている。マゼンタ点: [rapp+0.1, rapp+0.6]. これらは図2、3上側図に プロットされている。 ![]() 図4.今回得た星団年齢を SMC星団 上=Chiosi et al 2006, 中上=Rafelski, Zaritsky 2005, 中下=Pietrzynski, Udalski 1999 と LMC 星団 下=Pietrzynski, Udalski 1999 と比較。 |
![]() 図2.NGC 376/SMC のCMD.上: 半径 rapp = 0.9 arcmin 内の (V, B-V) と (V, V-I). 青実線=ベストフィットジュネーブ 等時線。赤実線=ベストフィットパドヴァ等時線。マゼンタ点=rapp から 0.1 arcmin 離れた巾 5 arcmin 円環の星でフィールド星が CMD のどこに来るかを 示す。 下:半径 [1, 2] arcmin 円環のフィールド星 CMD. ![]() 図3.図2と同じだが、 LMC 星団について示す。 |
![]() 図5.上:今回のSMCの星団年齢分布。下:今回+Chiosi et al 2006の SMCの 821 星団年齢分布。 |
![]() 図6.上:今回のLMCの星団年齢分布。下:今回+Pietrzynski, Udalski 1999 のLMCの 1745 星団年齢分布。 |
![]() 図11.年齢と半径の関係。星団溶解の証拠は見えない。赤点=平均。 SMC でアソシエイションの大きな半径は Bica et al 2006 サンプルに依る。 |
![]() 図12.この研究で導いた V バンド等級を SMC: Rafelski, Zaritsky 2005 及び LMC: Bica et al 96 と比較。 |
![]() 図13.SMC 星団の上:Vo - log t 関係。下:Vo - rapp 関係。 赤点=平均。古い星団ほど暗くなる。青線= Kotula et al 2009 の GALEV モデル. 上から、104 Mo, 103 Mo, 102 Mo. |
![]() 図14.LMC 星団の上:Vo - log t 関係。下:Vo - rapp 関係。 赤点=平均。古い星団ほど暗くなる。青線= Kotula et al 2009 の GALEV モデル. 上から、104 Mo, 103 Mo, 102 Mo. |