SMC8星団、LMC13星団、2フォルナックス星団の光電測光をコモン ウェルス天文台 29 インチ望遠鏡で行った。 | マゼラン雲の球状星団は銀河系球状星団に比べ 1.5 等暗い。これは、セファイド の周期光度関係のゼロ点を見直すべきと言う考えを支持する結果である。 |
P, V 等級 RCA C-7073B 光電倍増管をドライアイス冷却して用いた。ハーバード標準 天域 C-12 を用いて、観測等級の較正を行った。等級は P, V システムである。 直径 32" から 110" の4つのアパーチャで測り、Plummer の式で外挿して 総等級を定めた。 距離指数は古いので小さい 距離指数はシャプレイの距離スケールを Baade 1944 が表にしたものを使用 した。図1の丸バツは銀河系の 3 球状星団の平均位置である。ただし、その 絶対等級が現在の値に近いのか、当時の短い距離スケールなのかよく分からない。 |
![]() 表.Baade 1944 からの天体距離。LMC 距離が 22 kpc, m-M = 16.7 が使用されていることに注意。 |
![]() 表1.星団のカラーと絶対等級 |
![]() 図1.マゼラン雲とフォルナックス銀河内星団のカラー P-V 対絶対等級 Mp 図。 丸バツ=銀河系球状星団。LMC距離指数と銀河系球状星団の距離指数 は整合しているかどうか分からない。 |
赤星団 図1の特徴は、星団が赤と青に二分されることである。余りにはっきりと 分かれているので、星団に二つのタイプがあるように思える。赤グループの 平均カラーはフォルナックスの2星団、銀河系球状星団の典型値と近い。 青星団 青星団には A 型星が検出されている。これらの星団の中心集中度は赤星団 と似ており、高い光度とも考えあわせると、青星団を銀河系散開星団の仲間 とは見なせない。 |
光度 光度の点では、マゼラン雲星団の光度は銀河系球状星団に比べ、 1.5 mag 程度暗いようである。 距離指数の見直し これらの事実は、マゼラン雲、 M 31 で見出されるセファイドの距離から 導いた距離が球状星団内部に見出される星団型変光星から決まる距離より 小さいという懸念をもう一つ増やす結果である。言い換えれば、今回の 結果は、周期光度関係のゼロ点を見直すべきという考えを支持する。 |