UBV 光電測光を写真等級 11 等より暗い 86 の早期型星に行った。位置は l = [30, 70] である。Hamburg and Warner Swasey Observatories の Luminous Star catalogues から OB+ と OB 型の星を選んだ。 | それらの星でスペクトル型が B1.5 V より早期で and/or 光度クラス Iab か より明るい星の色超過と距離を求めた。いくつかは B, 又は A 型超巨星で 太陽から 8 kpc 以遠であった。 |
l = [30, 70] 域は腕のトレーサーが少ない 過去30年間の研究で、 HIIR, 若い星団、長周期セファイド、OB-星を使い、 南天の低減光領域、反中心方向では腕の存在が確認されてきた。しかし、 例えば l = [30, 70] 域は明らかに強い星間吸収が存在し、渦状腕のトレーサー が限られている。 |
UBV 光電測光でトレーサーの数を増やす 新しい UBV 光電測光で HIIR、若い星団、アソシエイション 中の OB-星を 観測し、トレーサーの数を増やすことを試みた。 |
選択 "Luminous Stars in the Northern Milky Way" mpg < 12 mag から l = [28, 70], b = [-5, 5] の OB+ と OB 星を選んだ。 既に UBV データが存在する星は除いた。その結果 86 個の星が残った。 それらを表1に示す。今回の分光観測で得た MK 分類も表1に載せた。 観測 観測は ワシントン大学 Manastash Ridge Observatory (MRO) 0.8 m 鏡 18 晩とローウェル天文台 1.1 m 鏡 5 晩で行われた。 誤差 他の観測者の結果と較べたが、例えば Turner との差は Δ V = -0.002 ±0.027 で有意な差はない。ただし、 Turner, Forbes 1982 は KPNO で 行った "stndard" UBV フィルター + 1P21 光電測光と、MRO測光との間 で百分の数等の差を認めた。これは赤化の大きい OB-星の MRO 測光を標準 システムに変換する際に生じるのである。このように赤化の大きな星に関しては 、特に U-B に関し、MRO と標準の測光システムの間に小さな系統誤差が 存在する可能性がある。 測光測光結果 測光結果は表1に示す。図1はそれらの二色図である。大部分が赤化を受けた O, B 型星らしいことがわかる。それに晩期型超巨星が混ざっている。 分光観測 68 星の分光観測が DAO 1.8 m 鏡で行われた。波長域は [3700, 4900] A である。EMI イメージチューブによるスペクトルは同じ装置で撮られた MK 標準星で分類された。イメージチューブ標準スペクトルが B2 より早期なので それより晩期の分類は精度が落ちる。 |
![]() 図1.表1 LS(Lumonous Star catalogue)星の2色図。 太い実線は主系列星。直線= B0V 星の赤化直線。 |
色超過と距離 B3 より早期星の UBV カラーは FitzGerald 1970 が与え、絶対等級は Crampton, Georgelin 1975 が与えた。それより晩期星は Turner 1980b が 研究した。表1には色超過、 MK 絶対等級が与えられている。距離指標は R = 3.0 を仮定して求めた。 Crawford 1971 の逐次法 スペクトル型不明の星の多くは赤化を受けた OB-星のカラーを持っている。 それらは Crawford 1971 の逐次法で固有カラーを求めた。その固有カラー から近似的な主系列スペクトル型を決め、最小距離を決めるのに使った。 色超過、距離指数 スペクトル型 B1.5V より早期 and/or 光度クラス Iab またはより明るい星 を表2に示す。これで Mv = -3 より明るい星は完全に探されたはずである。 エラー UBV と MK 分類が揃っている星の絶対等級の不定性は 0.6 mag 程度 (Balona, Crampton 1974) なので距離の誤差は 20 % である。測光のみの星では 距離の不定性はもっと大きい。星が星団メンバーの場合はエラーが小さくなる。 星団との関係は表2に示した。 空間分布 これ等の星の空間分布と渦状腕との関連はこのシリーズの最後に述べる。 |
![]() 表2.OB 星のパラメタ― |