LMC 内の非常に大きな星団4つの CMD を提示する。理論 CMD との比較は、 巨星の位置と分布に良い一致を示した。 | 4つの星団の年齢はは全て 50 Myr で同じくらいであった。各星団には異常 に明るく Mv ∼ -5.7 中間カラーの星が少なくとも一つ存在する。 |
Hodge, Flower 1973 は CTIO 1.5 m 鏡で NGC 2164 を観測しその CMD を得た。 今回は、同様の観測を NGC 2156, NGC 2159, NGC 2172 に対して行う。これらは 青い球状星団と呼ばれている。 | 銀河系の若い星団と異なり、それらは多数の巨星を含んでいて、進化モデル との比較を助ける。また、 NGC 2164 の改定した測光結果も含めた。 |
![]() 表1.星団と測定 表1に観測した星団名と測定した星の数を示す。 アストロフォトメターによる測定の整約は Hodge, Flower 1973 と同じに行われた。 表2に測定結果を、図2,3,4に測定した星のチャートを示す。 |
![]() 図1.NHC 2164 で、 Hodge, Flower 1973 と Robertson 1974 の共通な星の 比較。 |
3.1.NGC 2156![]() 図5.NGC 2156 の CMD. 暗く赤い星の内3つと第2ターンオフの星の二つは 星団から遠いので多分フィールド星。実線= Schlesinger 1969 の 50 Myr モデル。 NGC 2156 の CMD は NGC 2164 と似るが、巨星数は 10 でかなり少ない。 ブルーループの青端に星が集まっている。しかし赤端には星が見られない。 図5の上辺にある四角は超光度巨星を示す。この星は絶対等級 -5.6 程度と したが、ただ一枚の乾板でのみ測定可能であったので怪しい。たぶんもっと 明るいだろう。この星はフィールド星とも考えられるが、他の若い星団にも 同様に超光度巨星が見られるので星団星の可能性が強い。 |
3.2.NGC 2159![]() 図6.NGC 2159 の CMD. この星団の CMD もまた NGC 2164 と似る。ブルーループ青端には二つの星が、 赤端には4つの星が見える。 |
3.3.NGC 2164![]() 図7.NGC 2164 の CMD. 新しく描いた CMD を図7に示す。こちらの方は理論曲線とよく合った。 特に、主系列とブルーループの青端があった。 |
3.4.NGC 2172![]() 図8.NGC 2172 の CMD. 星団の CMD は前のと似ているが、データは散らばりと主系列でのエラーが 大きい。これは暗い方で、混んでいるせいである。巨星の数は NGC 2164 より 少ない。他の星団と同じく超光度星が一つある。 |
青い球状星団 4 つの CMD を得た。Iben の恒星進化モデルと比較して、よく 合う結果を得た。しかし、巨星枝の上に中間カラーの超光度星が存在する。 | 4つの星団の年齢は 50 Myr に集中した。 Blair et al. 1974 が得た、この 領域の小星団の多くがこの年齢を持つことと合わせ、興味深い結果である。 |