CMDs for 4 Rich Clusters of the LMC


Flower, Hodge
1975 ApJ 448,




 アブストラクト 

 LMC 内の非常に大きな星団4つの CMD を提示する。理論 CMD との比較は、 巨星の位置と分布に良い一致を示した。  4つの星団の年齢はは全て 50 Myr で同じくらいであった。各星団には異常 に明るく Mv ∼ -5.7 中間カラーの星が少なくとも一つ存在する。


 1.イントロダクション 

 Hodge, Flower 1973 は CTIO 1.5 m 鏡で NGC 2164 を観測しその CMD を得た。 今回は、同様の観測を NGC 2156, NGC 2159, NGC 2172 に対して行う。これらは 青い球状星団と呼ばれている。  銀河系の若い星団と異なり、それらは多数の巨星を含んでいて、進化モデル との比較を助ける。また、 NGC 2164 の改定した測光結果も含めた。


 2.測定 


表1.星団と測定

 表1に観測した星団名と測定した星の数を示す。 アストロフォトメターによる測定の整約は Hodge, Flower 1973 と同じに行われた。 表2に測定結果を、図2,3,4に測定した星のチャートを示す。

図1.NHC 2164 で、 Hodge, Flower 1973 と Robertson 1974 の共通な星の 比較。


 表2.観測した星団星の等級とカラー 





 図2.NGC 2156。CTIO 60”望遠鏡 V 乾板 





 図3.NGC 2159。CTIO 60”望遠鏡 V 乾板 





 図4.NGC 2172。CTIO 60”望遠鏡 V 乾板 





 3.結果 

 3.1.NGC 2156 


図5.NGC 2156 の CMD. 暗く赤い星の内3つと第2ターンオフの星の二つは 星団から遠いので多分フィールド星。実線= Schlesinger 1969 の 50 Myr モデル。

   NGC 2156 の CMD は NGC 2164 と似るが、巨星数は 10 でかなり少ない。 ブルーループの青端に星が集まっている。しかし赤端には星が見られない。 図5の上辺にある四角は超光度巨星を示す。この星は絶対等級 -5.6 程度と したが、ただ一枚の乾板でのみ測定可能であったので怪しい。たぶんもっと 明るいだろう。この星はフィールド星とも考えられるが、他の若い星団にも 同様に超光度巨星が見られるので星団星の可能性が強い。

 3.2.NGC 2159 


図6.NGC 2159 の CMD.

   この星団の CMD もまた NGC 2164 と似る。ブルーループ青端には二つの星が、 赤端には4つの星が見える。


 3.3.NGC 2164 


図7.NGC 2164 の CMD.

   新しく描いた CMD を図7に示す。こちらの方は理論曲線とよく合った。 特に、主系列とブルーループの青端があった。

 3.4.NGC 2172 


図8.NGC 2172 の CMD.

   星団の CMD は前のと似ているが、データは散らばりと主系列でのエラーが 大きい。これは暗い方で、混んでいるせいである。巨星の数は NGC 2164 より 少ない。他の星団と同じく超光度星が一つある。


 結論 

 青い球状星団 4 つの CMD を得た。Iben の恒星進化モデルと比較して、よく 合う結果を得た。しかし、巨星枝の上に中間カラーの超光度星が存在する。  4つの星団の年齢は 50 Myr に集中した。 Blair et al. 1974 が得た、この 領域の小星団の多くがこの年齢を持つことと合わせ、興味深い結果である。