A Comparizon of a 15.4-GHz Mpa of M 16 with the OB-Stars in the Cluster NGC 6611


Felli,Churchwell
1970 ApJ 160, 43 - 49




 アブストラクト 

 M 16 の 15.4GHz マップは 3 つの離れた成分が存在することを示す。 各成分のフラックス密度を用いて、その強さに必要なライマン連続光フラックス を計算した。星雲内の OB-星から放出されるライマン連続光と比べると、まだ 見つかっていない電離光源があることが分かる。

 1.イントロダクション 

 年齢 
 明るい HIIR M16 の中にある星団 NGC 6611 は可視や電波でいろいろと 調べられている。星団の年齢は主系列 TO から 1.8 Myr、固有運動からの 膨張年齢は 0.5 Myr と見積もられた。

 電波観測 
 Terzian 1965 に始まる電波観測は M16 の連続波が f-f 放射であることを 示した。Schraml, Mezger 1969 は NRAO 140 ft による 15.4 GHz 分解能 2' の観測から、濃い小さな成分が広がった希薄な HIIR の中に存在すると結論 した。彼らはまた、小さく固まった HIIR の励起星は隠れていて見えないので、 OB-星はダスト雲の中に埋まっていると考えた。

 目標 
 この論文の目的はアソシエイション内の OB-星で電波連続波をまかなえるのか どうかを調べることである。

 2.観測 

装置 
 観測は 1968 NRAO 140 ft 望遠鏡 15.4 GHz で行われた。ビーム巾は HPBW = 2.1' である。

 マップ 
 結果は図1と図2に示す。パロマ―レッドプリントを重ねた。

 他との比較 
 Terzian 1965 の 1.41 GHz マップは分解能 10' で細長いが未分解の像を示した。 Mezger, Henderson 1967 5 GHz マップは 6.3' ビームを用い、はっきりと二つの 成分に分解した。我々のマップに最も近いのは Gardner, Morimoto 1968 の 5 GHz, 4.2' マップで、全体の形も成分の位置も一致している。





図1.パロマ―レッドプリントに重ねた2cm Ta 等高線図。矢印=NGC 6611 OB-星。




図2.M16 のリック天文台狭帯フィルター写真に重ねた 2 cm 等高線。励起星 と明るい縁がはっきりと写っている。




表1.成分のパラメタ―の観測結果




表2.成分のパラメタ―の解析結果

 3.パラメタ―の導出 

 3つの成分 

 3つの各成分をガウシャンプロファイルで近似した結果を表1に示す。 フラックス密度の計算には下式を用いた。

Sν = 8kTA,Max ( θG2 )
ηAπd2 θB2


表2の Nw, M(HII), EM, 励起パラメタ― u などは Mezger, Henderson 1967 の 式を使った。距離には Hoag, Applequist 1965 の 2.5 kpc を採用した。これは Reifenstein et al 1969 の運動距離とも合っている。
比較 

 G17.0+0.8 の Ne = 19 cm-3 は Terzian 1965, Mezger, Henderson 1968 と良く合っている。Terzian の得た Me 質量は 28'x28' という広い領域全体に対するもの で我々の値より大きい。

 スペクトル 

 図3には電波スペクトルを示した。観測点6つはスペクトル指数 -1 の直線に 良く合っており、ターンオーバーが 300 MHz にある。Mezger, Schraml, Terzian 1967 が W 49 で見出したような非熱的成分は存在しない。



図3.M16 の電波スペクトル。




表3.NGC 6611 の早期型星




表4.電波から予想されるライマン光度と成分内部の早期型星のライマン光度和の比較

 4.可視データとの比較 

 表3の解説 

 表3には B1 より早期型の NGC 6611 星を載せた。それらは図1、2に Schewick 番号と矢印で示されている。

 ライマン連続光光度 

 ライマン連続光光度は Hjellming 1968 のモデル大気に基づいて次の式で 与えられる。

Lc = 1.25×1047 [ D ]2[ S15.4 ]
kpc f.u.


この式は電離限界 HIIR に対しては幾何形状や密度構造にはあまり依らない。こうして 得られた値を表4に載せた。

 スペクトル型とライマン連続光光度 

 Hjellming 1968 はスペクトル型と年齢の関数としてライマン連続光光度を与えた。 星団年齢が 1.8 Myr であることから ZAMS と仮定してよい。電波各成分の電離には いくつかの星が関与している可能性があるので、星団の半値幅内にある星の光度の和を 求めた。こうして得た星のライマン光度の和を表4の第3列に示した。
たった半分! 

 表4を見ると、可視星のライマン光度は電波連続光光度からの予想光度の半分しか ないことが分かる。もし、星雲が密度限界型ならこの差はもっと大きくなる。

 21 cm 吸収 

 ここの議論は勉強不足でよく分からない。

 隠れているか、埋もれているか? 

 図2を見ると、明るい O-型星のどれもが電波成分の HPW 内にないことは驚きである。 星雲の最も明るい部分にある暗黒雲の断片の背後に明るい星が隠れている可能性は ある。もう一つの可能性としては、いまだに星形成が進行中で、ダスト雲に完全に くるまれ、可視光では見えない原始星が大量のライマン光子を発しているのかも 知れない。

 ダストの話 

 ここは省略



表5.電波フラックス密度から予想されるライマン連続光光度

 5.結論 

 3つの電波成分 

 G17.0+0.8 と G16.9+0.8 は間にダークレーンを挟んで、星雲の最も 明るい箇所にある。一方、G17.0+0.9 は可視星雲が見えない場所にある。 星団に見つかった二つの最も明るい O-型星は電波成分とは無関係な場所に ある。
励起星はどこに? 

 既知早期型星からのライマン光度の和は電波連続波光度の半分しか説明できない。 ダスト雲断片の陰に隠れている早期型星があるか、ダスト雲に埋もれている 前駆主系列 O-型星が存在するかのどちらかであろう。