The Sub-mm Variability of IRC+10216 and &omikron;Ceti


Dharmawardena +
2019 MN ,




 アブストラクト 

 JCMT SCUBA2 のポインティング観測の際に取得した IRC+10216 と ο Ceti の 450, 850 μm データを用いて、この二つの AGB 星の 7 年間に亘る サブミリメーター変光を示す。変光周期を求めた。  IRC+10216 の 850 μm 変光は可視変光に対し 540 d の遅れを示す。この 原因の一部はダスト形成と破壊サイクルである。ただ、もう一つ別のメカニズム があるが現在不明。


 表1.観測諸元 



 図1.IRC+10216 の変光曲線 上:450 μm. 下:850 μm.



 図2.ο Ceti の変光曲線 上:450 μm. 下:850 μm.



 表2.IRC+10216 のサブミリ周期 



 表3.ο Ceti のサブミリ周期 




図3.折り畳み変光の残差


 4.議論 

 4.1.ピリオドグラム 

 450 μm データはノイズがきつく周期決定ができなかった。850 μm の方は S/N が高く、使える。

 4.2.周期 

 850 μm 折り畳み変光曲線は可視変光曲線と Δφ=0.79 = 540 d の位相差を示す。可視-遠赤外の光度曲線は同じ To を示す。一方電波変光曲線 は今回のサブミリ変光曲線と Δφ=0.2 ずれがある。これはデータ 誤差を考えると同一と見做せる範囲である。 がある。


 5.サブミリ変光と位相遅れの原因 

 5.1.光伝播時間 

 半径 0.04 pc = 50 days なので短すぎる。Groenewegen et al 2012 はバウ ショックの遅れが 402 days であるとした。彼らはそれを中心星からバウショック までの光伝播時間とした。しかし、バウショックは 3'.5 離れたところに位置し、 SCUBA-2 のビーム巾よりはるかに大きい。したがって、これもサブミリ位相遅れ の原因となりえない。

 5.2.分子ラインの混入 

 図4を見ると CO(3-2) ラインの変光は大きくない。また 850 μm フラッ クスへの寄与は 5 % 程度である。したがって、サブミリ変光への影響は小さい。

図4.JCMT/HARP による IRC+10216 CO(3-2) データ。