The QUaD Galactic Plane Survey. I. Maps and Analysis of Diffuse Emission


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Culverhouse + 30
2010 ApJ 722, 1057 - 1077




 アブストラクト 

 QUaD 望遠鏡による銀河面 800 deg2 の 100 および 150 GHz ストークス I, Q, U パラメターマップを観測した。分解能は 5' と 3.5' で ある。観測領域は l = [245, 295] と [315, 5], b = [-4, 4] である。 全強度に関しスペクトル指数 α = 2.35±0.01 (|b|≤1) で、 放射がダスト以外であることを示唆する。文献中のダスト、シンクロトロン、 フリーフリー放射モデルとの比較から、 100 GHz QUaD バンドに WMAP 5 年間 の W-バンド観測に対して小さな超過が見られる。一方 150 GHz は良く合う。  QUaD と WMAP データを合わせ、内側銀河面の |b| ≤ 1 に対し、2成分 モデルでフィットした結果、 αs = -0.32 と αd = 2.84 を得た。前者はシンクロトロン、フリーフリー、 ダストの合成結果であり、後者はダスト連続光と思われる。偏光データは、 予想される磁場の方向に対して直交方向に高い水準で整列している。 平均偏光率は 100 GHz で 1,38 %, 150 GHz で 1.70 % である。


 1.イントロダクション 

 銀河の連続光では、 シンクロトロン放射が 60 GHz より低周波側で支配的であり、 60 - 100 GHz ではフリーフリー放射とダスト放射が主である。また、シンクロトロンとダス トはかなり偏光している。シンクロトロンで 2 - 4 %, ダストで 1 % 程度で ある。どちらの成分も磁場方向と直交する偏光を生み出す。  "B-モード" による原始重力波の検出に対し、拡散銀河偏光が妨害となること からミリ波、サブミリ波の観測は宇宙背景放射グループの関心を集めている。 B-モードパワースペクトルが角スケール 1° 程度であるので、前景混入 シグナルとしてダストの偏光は非常に重要である。


 2.装置と観測 

 QUaD は 2.6m カセグレン電波望遠鏡である。検出器は 31 対の PSBs = polarization sensitive bolometers で、 12 対が 100 GHz, 19 対が 150 GHz で作動する。ここでは 2007 年 7 月 - 10 月の 40 日間に取ったデータを 解析する。

図1.上: PSB 対の差分マップ。下:同じだがフィールド微分を掛けた。  



図2.黒線=150 GHz サーベイ領域。背景= WMAP W-バンド強度マップ。

 3.低レベルデータ処理 

 4.マップ作製 


図3.QUaD 150 GHz デストリッピング処理のマップ。  

図4.メディアン感度の変化。  


 5.拡散放射の性質 




図5.総強度と変光ベクトルマップ。第1段=100 GHz 第3象限。 第2段=150 GHz 第3象限。第3段=100 GHz 第4象限。 第4段=150 GHz 第4象限。




図6.左:100 GHz と 150 GHz の散乱プロット。右:スペクトル指数 αI と銀緯 b の関係。




表1.拡散光の平均的性質




図7.銀経 l で平均した偏光度と銀緯 b の関係。上:左=100 GHz Q/I. 右=100 GHz U/I.下:150 GHz の図。




図8.QUaD 偏光角。上: 100 GHz. 下:150 GHz.




図9.左:QUaD 100 GHz/ WMAP W バンドの比較. 中:データ例。右:平均 偏光度。




図10.左:QUaD ピクセル毎の観測値対モデル値。上= 100 GHz. 下= 150 GHz. 右 観測値/モデル値の銀緯変化。




図11.100 GHz と 150 GHz の比較。黒=強度 I. 赤=Q. 青=?

 6.結論