アブストラクトカタログパロマ―写真(POSS) から 248 個の小さな分子雲を見つけた。これらのサイズは 10' 以下、平均 4' で孤立しており、中央部は不透明である。これ等はもっと大きな サイズの ボク・グロビュールやバーナード天体とよく似ている。それらの 小さいメンバー 30 % は以前のカタログには載っていない。中心位置、広がり、 向き、参考文献をリストにした。内、242 天体には CO から決めた視線速度を 示した。 149 個の雲には 付随する IRAS 天体 346 個を示した。 メンバーの性質 それらの大部分には前景の星もないことからそれらは銀河系内で最少, < 1.5 pc、で最も単純なグループを成す。見かけ楕円率 a/b の平均は 2 で、 球形の雲モデルはここのサンプルには不適切であろう。軸の向きはランダム で、銀河面に対する相関はない。 遠赤外の性質 IRAS 天体が付随する雲の遠赤外の性質は Beichman らが調べた暗黒雲コア と似ているが、F100/F60 温度はこちらが 19 K でコアの方は 28 K で少し 高温である。カタログにある雲 93 個の 12CO J=2-1 観測の 結果は 70 % はガス温度 8 K と低く、ガス運動は音速程度で静謐である。 |
1.イントロカタログ作成星形成理解のため、星形成活動が始まる前の雲のサンプルが欲しい。かつ 研究しやすさから小さくて単純な構造が望ましい。大きな雲, > 5' - 10' については Lynds 1962, Barnard 1927 で大体尽くされている。小さな サンプルを POSS 上で探した。 既知、新発見 10' 以下の雲 248 個を見出したが、 72 % は以前のカタログに載っていた。 この割合は小さな (1' - 2') 雲になると下がる。60 % には IRAS 天体が付随 している。 |
選択基準 ボク・グロビュール的な小天体を探したいので、基準は (1)小さくて不透明なコアを持ち、 (2)孤立していて、 (3)丸みは基準に入れない。 この結果、a/b = 7 にまで達するサンプルとなった。 眼視探査 O, E 双方の δ > -36° POSS 乾板上で、小さくて(<10') 、周りと孤立し、不透明な雲の存在を調べた。このため、近傍の 大きな暗黒雲複合体の雲に対しては選択から落としやすい結果となった。 複数の不透明コアを持つ雲や、細長い紐状の雲も同じく排除された。ただし、 B72 のみは例外的に入れられた。 |
バイアス 様々な環境下の雲をカタログに入れるため へびつかい座、牡牛座、オリオン座のようによく研究されている領域を省き、 逆にある特定の領域からあまり多くの雲を引っ張ってこないようにした。 ( 恣意的な選択をしているように 見える。ある条件を満たしたら全て載せるわけではないのか?) 位置、方位角の決定 不透明コアの大きさは POSS O(blue) 乾板で決めた。ただし、 l = 0° - 30° では減光が強いので E 乾板を用いた。雲の形は楕円で近似し、長軸、 短軸の長さ、位置角は手作業で測った。a/b ≥ 1.5 の雲では位置角の精度は 20° 程度である。中心位置は眼視で決定し、精度は 0'.5 程度である。 |
3.a. IRAS PSC との対照コア、外層、参照領域表1の a = 長軸直径, b = 短軸直径 はコアのサイズを示す。外層領域は 2倍のサイズの領域からコアを引いたもの、参照領域はコアの4倍サイズの 領域から、コア、外層を引いたものとする。従ってそれぞれの面積比は 1 : 3 : 12 となる。 IRAS 天体の数とフィールド期待値 第17列には IRAS 天体が雲のどこにあるかを述べている。IRAS 天体は 先ずコア、次に外層の天体を並べた。"core", "envelop" の文字の次の数字は、 参照領域内の IRAS 天体数から推定した、フィールド天体の期待値である。 |
3.b. CO 観測CO 観測観測から得られた視線速度は表1の第4列に載せた。 |
4.a. 光学的性質4.b. 位置分布4.c. 赤外の性質4.c.(i) コアの性質随伴天体 145 個のコア IRAS 天体のうち、41 個(内 31 個は偶然と予想される。) は F12 ≥ F25 かまたは F12 のみの検出であった。これらの 41 天体中、 3個は SAO 星、1つは Dearborn Obs.星、一つは銀河、8つは Lynds 暗黒雲 (星は随伴しない)、そして 28 個が随伴天体なしであった。 |
"bright" 雲と "dark"雲 これ等の天体は l = 0° - 30°、|b| < 5° に集中している。 従って F12 の強い星はおそらくバルジの星であろう。F25 ≥ F12 天体は 8 個である。 コア天体は二つ、"bright" と "dark", に分かれる。"bright" 天体は埋もれた 反射星雲、明るい縁、彗星状 Hα 放射、を含む雲である。"dark" 雲は 明るい星雲は伴わない。 IRAS PSC 天体検出は "dark" 雲で 87/217 = 40 %、 "bright" 雲で 22/31 = 71 % である。 |
4.c.(ii) Beichman et al コアとの比較図8.(F12/F25) - (F25/F60) 図。 図8には (F12/F25) - (F25/F60) を示す。今回の小さな暗黒雲と Beichman et al の暗黒雲コアとは図上でよく似た分布を示す。さらに、我々の PSC を伴う雲は T Tau ゾーンに近く分布する。我々の PSC は埋もれた、または爆発する PMS 星であるらしい。これはそれらの小さな暗黒雲が活発な星形成域であることを 意味する。 (F25/F60) - (F60/F100) 図。 図9は (F25/F60) - (F60/F100) を示す。再び、両サンプルはよく似ている。 Beichman et al サンプルがやや暖かい。 図10.(F60/F100) - F100 図10は (F60/F100) - F100 を示す。まず、図の左下の三角形の列は F60 検出限界に達している。次に、我々のサンプルと Beichman et al サンプル との図9で見出されたカラーの差がここでも出てきている。 ![]() 図9.(F25/F60) - (F60/F100) 図。 |
![]() 図8.(F12/F25) - (F25/F60) 図。 ![]() 図10.(F60/F100) - F100 図。 |