The Bubbling Gactic Disk


Churchwell, + 22
2006 ApJ 649, 759 - 778




 アブストラクト 

 GLIMPSE 画像を視察した結果、 322 の部分的または完全なリングを発見した。 それらは部分的または完全な3次元泡を表している。泡は最初、高温の若い星 により星形成領域内に形成される。我々は平均して 1泡/平方度 発見した。 泡の 25 % は既知の電波 HIIR と一致した。13 % は既知の星団を包んでいた。 電波で検出できる HIIRs を作るには低温過ぎる B4 - B9 星が我々の泡の 3/4 を占めているようである。残りは O - B3 星でそれらは電波 HIIRs として検知 されている。  泡の幾つかは HIIR の端で PAH 放射が励起されており、星風による力学的 に作られたものではないようだ。泡の内既知の SNR と同定されたものは 3 個 だけであった。PNe や WRs と同定された泡はなかった。泡は小さい。角半径の 分布は 1' - 3' がピークで 98 % は 10' 以下、88 % は 4' 以下である。 90 % のシェル厚みはシェル外側半径の 0.2 - 0.4 である。泡の厚みは泡半径 と共に増加する。離心率分布は 0.6 -0.7 の間がピークでかなり大きい。65 % は離心率 0.55 - 0.85 にある。


 1.イントロダクション 

 GLIMPSE を視察して多数のリング構造を発見した。しかし、中間赤外リングは 予想されなかった訳ではない。MSX (Price et al 2001, Cohen, Green 2001) ではそれは普通に見られるし、 視直径 10' 以上の大きな泡は McClure-Griffiths et al 2002 が HI Southern Galactic Plane Survey = SGPS で報告している。 Wisconsin Hα Mapper = WHAM (Haffner et al 2003) にもリングは見える。
 GLIMPSE は MSX の 100 倍感度が高く、区間分解能が 10 倍高い。従って MSX より小さくて暗い泡までが見えるだろう。  我々はサーベイ領域を l = [10, 65] と l = [295, 350] の二つに分けた。 過去の HI, CO サーベイは銀河面の南北非対称性を見出した。泡に関しても 同様の非対称性があった。


 2.データ 

 lxb = 3°x2° のモザイク画像を泡探しに用いた。IRAC バンド 2(4.5μm), バンド 3(5.8μm), バンド 4(8.0μm) からフォールスカラー合成画像を作り視察した。リング画像は

   http://www.astro.wisc.edu/glimpse/bubbles/

で見ることが出来る。

 2.1.泡選択効果 

 ここに与える泡カタログは次に述べる選択効果のために不完全である。

(1)近い泡は見つけやすい。

(2)暗い泡は背景レベルで隠されてしまう

(3)小さくて高輝度の泡はリング状に見えなくなる。

(4)非常に小さい、又は大きい泡は見逃される。

 2.2.観測者依存の泡選択によるバイアス 

 著者の内4人が5枚のモザイクを独立に調べた。その比較から選択バイアス を評価した。この共通5枚モザイク内で 21 の泡は4人全員が認定した。 表1にはこの 21 個についてパラメタ―を載せた。 表2,3には泡カタログのパラメタ―を載せた。値は評価者1のものである。 形態の記述は難しい。表の分類は簡潔過ぎるので、興味を持った天体は、
   http://www.astro.wisc.edu/glimpse/bubbles/
を参照して欲しい。

表1.泡パラメタ―の測定値の比較

 表2.北天の川の泡 









 表3.南天の川の泡 












図1.(a) 泡 N4 の画像。4人の測定人の大きさ、離心率が一致した。 長軸方向は不一致であるが、形が円に近いのでやむを得ない。 (b) 泡 S175 の画像。サイズ、厚み、離心率に関し不一致であった。 これは泡左側にある明るい光源が影響している。測定人1のフィットは 緑線で示す。他の色はそれぞれの測定者を表す。横棒は 2'.

 図2.泡の形状分類  


(a) S133. 複合泡=MB。(b) S145 (RCW79). 破裂泡=B。複合泡=MB。星団内包=CC. (c) S44。完全泡=C (d) S21。完全泡=C に中心星あり=CS. (e) S 156。中心星星団=CC. (f) S97+S98。双極流=BP. (g) S109+S110+S111. 三極泡 = TP. (h) S100. 繊毛泡=Fl.





 3.結果と議論 

 3.1.波長依存性 

 泡のカラー分布 

 GLIMPSE で見つけた泡は一般に長波長ほど明るく、 IRAC 8 μm は他の バンドより明るい。図3には泡の代表例の画像をカラーで示す。 青は 4.5 μm, 緑は 8.0 μm, 赤は 24 μm である。24 μm は MIPSGAL から採った。この図では 24 μm が泡内部を占めていて、 高温で明るい天体付近で強いようだ。8 μm は泡内部では弱く、泡境界の 外側で強い。

  

 それを説明する仮説は 24 μm が高温のダストの熱輻射と多分極小ダスト のストカスティック過程放射で占められ、 8 μm は PAH からの 7.7, 8.6 μm 放射であるというものである。

 中心星近くにダスト? 

 幾つかの泡では 24 μm 放射が中心星位置にピークを持つ。これは次の疑問 を引き出す。

(1)ダストが強い輻射場に存在できるのはどうしてか?

(2)星風で吹き飛ばされないのか?
 シェルの厚み 

 泡の厚さは、Weaver et al 1977 がモデル化した。(厚み/半径) は、年齢が 上がると共に、また周囲のガス密度が上がると共に増加する。 与えられた年齢では、この比は中心星が暗くなると増加する。このモデルが 観測された泡での値を説明するかどうかはまだ分からない。

 PAH の場所は? 

 泡内部と見えても実際には泡の前面と背面が放射に寄与しているので、 8 μm 放射が本当に泡内部ではなしかありかは、 PAH が容易に壊れるものか どうかに関連する。逆方向で、泡の外側に広がる 8 μm 放射は PAH 放射が PDR 領域の良い追跡子であることを示す。


 3.2.泡の銀経分布 

  

 表2、3には今回 GLIMPSE で検出した 322 の泡の情報が載っている。 これは平均すると 1.5 泡/平方度 である。図4には、それらの銀経分布を 示す。単純な予測では、円盤を横断する視線距離が長くなる銀河中心方向から 外側にかけて次第に低下すると考えられる。しかし、検出バイアス、(1) 遠い泡は見つけにくい、(2)中心付近では背景放射が強い、は問題を複雑に する。

 南北非対称 

 図4に見られる検出数の南北非対称は多分本物である。大質量星形成域が 南銀河系に多いことを反映しているのであろう。

  

 

図4.中間赤外泡の銀河系中心からの角距離(|Δl|)分布

  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.

  

  

 

  

 

  

 
  

 

  

 

  

 



図.


( )


et al. () 先頭へ