2MASS Observations of the Perseus, Orion A, Orion B, and Moniceros R2 Molecular Cloud


Carpenter
2000 AJ 120, 3139 - 3161




 アブストラクト

 フィールド星の差引 
 2MASS 2nd Incremental Release PSC を用い、ペルセウス、オリオンA, オリオンB, モノセロス R2 分子雲内の若い星の分布を調べた。フィールド星 分布の半解析表現を観測された星分布から差し引き、残差の空間分布を 星のコンパクトな集団とより一様に広がった種族とに分けた。

 星団種族と広がった種族 
 各分子雲には 2 - 7 個の星団があり、うち最大の星団1つが星団星の半数 以上を含む。また、フィールド星差し引きの確度内で、 0.013 - 0.083 arcmin-2 の広がった星種族がオリオン A とモノセロス R2 に 推定される。

 広がった種族の星数 
 10 Myr より長期間一定の割で Milar-Scalo IMF の星形成が進行していたなら、 感度計算からは広がった種族の星数をファクター2以上過小に見積もっている 可能性がある。
星形成効率 
 広がった種族星の進化状態を考慮すると、4つの雲での星団種族と 広がった種族の星総数から推定される星形成効率は 1 % - 9 % である。

 星団星数の割合 
 名目的な減光(?)での、星団星数が総星数に占める割合は、もし広がった 種族が 10 Myr より若ければ 50 % - 100 %、もし 10 Myr 程度に古ければ 25 % - 70 % である。分子雲に埋もれた星団の年齢が通常若いことと一緒に 考えると、星の大部分が数百万年内に生まれたことになる。

 
 つまり、雲の年齢を 10 Myr より古いと考えるなら、星形成率は最近 ピークを迎えたことになる。逆に雲が若いなら星形成率は時間的に 一定であった。
(妙な言い方をする奴だ )



表1.分子雲の性質




図1.2MASS 天体の表面密度マップ。l=[130, 250], b=[-40,+40]. Ks =[6, 14.3] 星を 5×5 で まとめた。表示は Hammer-Aitoff 射影。濃い灰色= 2 arcmin-2 から薄い灰色 = 0.2 arcmin-2 まで。白い領域はデータが欠けている。




図2.平均 J-Ks カラーマップ。分子雲がはっきり分かる。




図3.上:観測平均星密度の銀緯変化。中:観測分布を多項式フィットした近似式 を引いた残差。下:残差の rms.
星団、分子雲を含まない、l=[130, 250], b=[-35, -7] 領域のみを 使用した。


 3.解析 

 3.1.半経験的フィールド星モデル 

 Silverman 1986 の ガウシャンカーネル表示を用いる。カーネルの巾には 0.25 pc を用いた。

 3.2.フィールド星差し引き残差の密度マップ 




図4.ペルセウス分子雲。左上:h=0.25pc での Ks カーネルマップ。 上右:IRAS 6- μm 画像。左下:J-Ks カラーマップ。右下:13CO マップ。 白バツ=明るい星の周りでマスクがかかった箇所。




図5.オリオン A。




図6.オリオン B。




図7.モノセロス R2。




表2.分子雲内星団。

 3.3.星団 

 星団の検出 

 フィールド星差引後の残差マップで 2σ レベル以上の閉じた等高線 を星団候補とした。σはフィールド星がポアソン分布に従うと仮定して 求めた。星団の条件としてはピーク密度が 6σ 以上、星団数は 4σ 等高線以内の星数とした。閾値は勝手に決めた。



図8.表2に示した星団の Ks 密度等高線。最外側レベルは 2σ であり、 間隔は 10σ から 3σ まで変わる。




図9.クラスターの(J-H) - (H-Ks) 二色図。
( フィールド星と星団星の分離が どうなされているのか、本文を調べたが分からない。)


 略 

 その後はクラスター検出の話と関係なく、また星形成史に関する 結論は常識以上のことを述べているように思えないので省略する。