TCS-CAIN: A Deep Multi-Color NIR Survey of the Galactic Plane


Cabrera-Lavers, Garzon, Hammersley, Vicente, Gonzalez-Fernandez
2006 AA 453, 371 - 385




 アブストラクト

 最近カナリー天体物理研究所で完了した多色NIR探査 TCS-CAIN の報告をする。 探査は銀河面沿いの選択区域で行われ、 2MASS や DENIS より深い。目的は 銀河系の大規模構造、特にロングバーを調べることである。  この探査は位置精度 0.2, 測光精度 0.1 mag の J,H, Ks 撮像から一千万個の天体を抽出した。530領域が観測された。総面積は  41 deg2 である。この探査は 2MASS より少なくとも 1 mag 深く、 混んだところではその差はさらに大きい。


 2.CAINカメラ 

 CAmara INfrarroja = CAIN は 1.5 m TCS (Tenerife) に取り付ける 256 × 256 NICMOS3検出器のカメラである。FOV = 4.25 x 4.25 である。


 3.観測とデータ解析 


図1.破線=TCN-CAIN フィルターの透過率。実線=全システム効率。 点線=フィルター+検出器の効率。

 Telescopio Carlos Sanchez (TCS) による観測は 1999 年に開始された。 サーベイは 30 の異なる観測キャンペインからなり、各キャンペインは平均 5 - 6 晩であった。図2に 15 ポインティングによる 20 ×12 区画の観測配置を示す。

 3.1.観測とデータ解析 

 観測領域は銀河面に沿って散らばされた。

 3.2.測光 


図2.20 x 12 区画を観測する時の 観測位置。中心は (l, b) = (20, 0)。背景は ESO Online Digitaized Sky Survey より。

 3.3.較正 

 3.4.限界等級 




図3.TCS-CAIN サーベイの観測領域分布。背景は COBE/DIRBE. 観測点は主に内側銀河系 |l| < 15 とバーの端点 l = 27 付近に集中し ている。各点は 0.07 deg2 である。


図4.シーイング分布。左:J,中:H、右:Ks. 縦破線= 25, 50, 75 % 分布点。






図5.(左)向きが揃っていない観測例。(右)向きを正しく揃えた例。




表2.平均較正係数。



図6.検出天体の分布例。



図7.減光係数の分布。


図8.フレームが重なる箇所での等級の差

図9.全観測領域での累積星計数。


図12.(l, b) = (40, 0) における J バンド累積星計数。


図13.(l, b) = (27, 0) における K バンド画像。左:2MASS. 右:TCS-CAIN. TCS は明らかに混み合いの影響が少ない。



図10.完全度限界等級の銀経による変化。赤= 5度のランニング平均。




図11.星表面密度に伴う完全度限界等級の変化。


図14.  



図17.2MASS と TCS-CAIN 等級差平均の等級による変化。


図18.二つの位置決定法による位置の差。



図15.TMS 等級と TCS-CAIN 等級との差のヒストグラム




図16.TMS 等級と TCS-CAIN 等級との差の星密度による変化。

 4.位置較正 




図19.3次係数の分布



図20.位置残差。




表3.最適係数





図21.フレームの重なり部から得た測光内部エラーの分布。




図22.TMASS と TCS-CAIN の位置の差の分布の J 等級による変化




図23.TMASS と TCS-CAIN の位置の差の分布の J-H による変化。




図24.TMASS と TCS-CAIN の位置の差の分布の J 等級による変化



 5.TCS-CAIN 星計数。銀河構造に対する意味合い。 


図25.(J-K, K) 図の比較。左: 2MASS, 右; TCS-CAIN. 内側銀河系では 2 mag 程深い。 l > 90 での差が殆どないことに注意。



図26.2MASS と TCS-CAIN を合わせた星計数の銀経による変化。 実線=Lopez-Carredoira et al 2002 モデルの予測。TCS-CAIN 観測は モデルと良く合うが、2MASS のデータは完全度の問題で不足している。



図27.カタログの例。

 6.カタログ  


図28.フレーム情報の例  


 7.結論