最近カナリー天体物理研究所で完了した多色NIR探査 TCS-CAIN の報告をする。 探査は銀河面沿いの選択区域で行われ、 2MASS や DENIS より深い。目的は 銀河系の大規模構造、特にロングバーを調べることである。 | この探査は位置精度 0.2″, 測光精度 0.1 mag の J,H, Ks 撮像から一千万個の天体を抽出した。530領域が観測された。総面積は 41 deg2 である。この探査は 2MASS より少なくとも 1 mag 深く、 混んだところではその差はさらに大きい。 |
CAmara INfrarroja = CAIN は 1.5 m TCS (Tenerife) に取り付ける 256 × 256 NICMOS3検出器のカメラである。FOV = 4.25′ x 4.25′ である。 |
![]() 図1.破線=TCN-CAIN フィルターの透過率。実線=全システム効率。 点線=フィルター+検出器の効率。 Telescopio Carlos Sanchez (TCS) による観測は 1999 年に開始された。 サーベイは 30 の異なる観測キャンペインからなり、各キャンペインは平均 5 - 6 晩であった。図2に 15 ポインティングによる 20′ ×12′ 区画の観測配置を示す。 3.1.観測とデータ解析観測領域は銀河面に沿って散らばされた。3.2.測光 |
![]() 図2.20′ x 12′ 区画を観測する時の 観測位置。中心は (l, b) = (20, 0)。背景は ESO Online Digitaized Sky Survey より。 3.3.較正3.4.限界等級 |
![]() 図5.(左)向きが揃っていない観測例。(右)向きを正しく揃えた例。 ![]() 表2.平均較正係数。 |
![]() 図6.検出天体の分布例。 |
![]() 図8.フレームが重なる箇所での等級の差 |
![]() 図9.全観測領域での累積星計数。 ![]() 図12.(l, b) = (40, 0) における J バンド累積星計数。 ![]() 図13.(l, b) = (27, 0) における K バンド画像。左:2MASS. 右:TCS-CAIN. TCS は明らかに混み合いの影響が少ない。 |
![]() 図14. |
![]() 図17.2MASS と TCS-CAIN 等級差平均の等級による変化。 ![]() 図18.二つの位置決定法による位置の差。 |
![]() 図19.3次係数の分布 |
![]() 図20.位置残差。 ![]() 表3.最適係数 |
![]() 図21.フレームの重なり部から得た測光内部エラーの分布。 ![]() 図22.TMASS と TCS-CAIN の位置の差の分布の J 等級による変化 |
![]() 図23.TMASS と TCS-CAIN の位置の差の分布の J-H による変化。 ![]() 図24.TMASS と TCS-CAIN の位置の差の分布の J 等級による変化 |
![]() ![]() 図25.(J-K, K) 図の比較。左: 2MASS, 右; TCS-CAIN. 内側銀河系では 2 mag 程深い。 l > 90 での差が殆どないことに注意。 |
![]() 図26.2MASS と TCS-CAIN を合わせた星計数の銀経による変化。 実線=Lopez-Carredoira et al 2002 モデルの予測。TCS-CAIN 観測は モデルと良く合うが、2MASS のデータは完全度の問題で不足している。 |
![]() 図28.フレーム情報の例 |