Burstein, Heiles 1978 が提唱した HI/銀河計数法 = 銀河系の視線方向赤化
を求める方法の精度を定量的に評価した。二つの方法による高精度の赤化を比較
した。主に uvbyβ システムで決めた星の固有カラーと、銀河の古い星種族
の積分スペクトルのカラーと吸収線強度の間の関係である。 HI/GC 法の相対精度は E(B-V) で 0.01 等か赤化の 10 % である。銀極方向 で、測光または偏光から決めた赤化データを集めて議論した。ここでも北銀極 では E(B-V) = 0.01、南銀極で 0.01 - 0.02 という値が得られた。 | |b| > 10 の領域で赤化マップを得た。Shane-Wirtanen 1967 銀河計数の を 13 deg2 で平滑化したマップも与えた。それらの利用法を 論じた。最も著しい特徴は銀河系内で HI/ダスト比が低い、例えば分子雲、 領域は高い HI/ダスト比領域で囲まれていることである。 |
3.a. |b| ≥ 10 赤化マップ銀極周辺の赤化マップ赤化マップは Heiles 1975 の HI マップの様式を踏襲している:|b| = [10, 65] では直交座標系で表示、|b| > 60 では極座標表示とした。 HI/GC 法は赤化の導出には HI コラム密度しか使わない。従って、|b| > 60 のマップは HI から赤化への表示変換以外は Heiles 1975 の HI マップと同じ である。南銀極のマップは l = [220, 20] でデータが不完全である。しかし、 そこでの HI コラム密度は Heiles, Clearly 1979 に表として載っている。 赤化マップは図7 (a), (b) に示す。等高線間隔は ΔE(B-V) = 50 BH ユニット = 0.018 mag である。75 BH と 175 BH は黒線で描いた。BH < 100 は赤化ゼロと看做す。 1 BH ユニット= 2.23 1018 H cm-2 で、E(B-V) = 0.011 mag に対応する。Bernstein, Heiles 1978 による。 中銀緯の赤化マップ 中銀緯の赤化マップは2種類の空間分解能で表示した。 図4(a) - (g) は巾 50° の北銀天、 図5(a) - (g) は巾 50° の南銀天を表示する。 図6(a), (b) は小スケール版の赤化マップである。図4、5、6の 等高線間隔は ΔE(B-V) = 0.03 mag で, E(B-V) = 0.09 mag から始まり、 5本目毎に黒線にしてある。等高線のラベルは 0.01 mag 単位である。 図中の三角、四角等の模様は HI データ欠如による人造効果である。特に、 (l, b) = (300, -25) の丸い模様はデータ欠損の結果であるので注意する。 |
3.b. 赤化マップの不規則変化班状の HI 分布全ての銀緯に亘り、赤化に斑点状の変動がある。例えばおとめ座銀河団には 斑点状の HI 雲が幾つかある。また、(l, b) = (300, 85) の HI 雲のように E(B-V) ≥ 0.02 になる場合もある。(l, b) = (130, -70) の場合には E(b-V) = 0.10 に達する。 パロマ―アトラスとの比較 非常に強い対照が (l, b) = (240, 10) E(B-V) ≤ 0.03 と (l, b) = (173, -37) E(B-V) ≥ 0.30 に見られる。パロマ―写真を調べると、 (α, δ)1950 = (8h0m, -18) では基本的に一様な 星の分布が見られるのに対し、 (3h12m, 12°) では非常に乱れた分布が見られる。 |