Galactic Clusters and HII Regions


Becker, Fenkart
1970 IAU Symp 38, 205 - 208




 アブストラクト 

 若い星団と HIIR の観測データを文献から集めた。  それらが渦状腕に沿って並んでいることが判った。


 1.イントロダクション 

 距離の決まった星団と励起星の数 

 星団と HIIR 励起星は渦状腕の良い追跡天体である。過去3年間で、測光 観測により距離の決まった星団の数が 150 から 230 へと増加した。残念ながら、 励起星の Hβ と Hγ 強度から距離が決まった HIIR の数は 55 から 70 へと増加率は高くない。
 二色図を使う 

 我々は星団の文献データを集め、たが大部分は (V, B-V) を用いて解析した ものであった。しかし、この報告では以下の理由で二色図を基礎にした解析を 進める。


 2.星団の分布 

 二色図の利点 

 二色図には次の利点がある。

(1)星団メンバーを決定するのに、二色の方が確実

(2) 色超過の精度も上がる。

(3)U-B CMDの上部主系列は B-V CMD より緩いので光度がよく決まる。



 文献距離の訂正 

 この方法で文献距離をある場合は 10 - 30 % 訂正した。しかし、多くの場合、 訂正は 10 % 以下であった。図1には、黒丸=O - B3 型の若い星団の分布を 示す。白丸= HIIR である。分布の全体が3本の帯を成していることが判る。

 図2= NGC 1232 上への投影 

 興味深いのは上の星団と HIIR 分布を銀河系とよく似た NGC 1232 の上に 重ねて見た時にそれらが渦状腕の上に良く重なることである。

図2.渦状銀河 NGC 1232 の上に若い星団と HIIR を投影した図。



図1.黒丸=O - B3 型の若い星団。白丸= HIIR。3本の帯は上から、 ペルセウス腕 (+I)、局所腕 (O)、カリーナーサジタリウスースキュータム腕 (-I) である。

 図3=高齢星団の分布 

 図3には最も早期型のメンバー星が B3 より晩期である高齢星団の分布を示す。 分布はランダムに見える。しかし、渦状腕に沿った分布から円盤全体に 広がる分布への転移がどこで起きるかを調べるにはサンプル数が 不足である。

図3.高齢星団の分布


 3.興味ある点 

 ない? 

 l = [200, 250] で渦状腕が消えて行くように見える。一方、l < 95 における +I 腕(ペルセウス腕)を完成させるには観測的困難がある。 というのは星団距離が 3 kpc を超え、シグナス分岐の強い減光を 受けるからである。 l = [140, 180] には若い天体が完全にない。 
 興味ある? 

 最も興味深いのは、l = [300, 360] で、Bok の解釈と我々の考えとの 相違を解決する領域である。l = 50 方向、及び l = [255, 285] の 腕間領域をはっきり定義することも重要である。