球状星団中に観測される元素組成と等級の異常を説明するために、 若い球状星団が複数回の星形成現象を経験するというシナリオが提案されて いる。このシナリオには星団が星からの放出物を内部に貯えられることが 必要である。従って、局所宇宙に、総質量の 10 % 以上 に上るガスとダストを持つ若くて大きい星団が見つけられるはずである。 | 最近のモデルに依れば、 LMC 内の M > 104 Mo, t = [30, 300] Myr 星団にはそのようなガスとダストがあるはずである。 12 LMC + 1 SMC 星団の HI 観測と Spitzer 70, 160 μm 観測から ガスとダストを探した。しかし、どの星団にも見つからなかった。 二つの星団方向に同じ視線速度の HI ガスが見つかったがガス分布の 中心は星団中心と一致しなかった。近傍の雲の一部のようである。 ガス量の上限 1 % はモデルの予想と強く対立する。星からのフィードバック が予想より大きいか、以前のモデルで使用された仮定に修正が必要か であろう。 |
![]() ![]() 図1.Spitzer 3.6, 70, 160 μm 画像。円=半径 61" = 15 pc (LMC), 18 pc (SMC) を示す。図で黒が放射である。 |
![]() 図2.図1の続き。 ![]() 図3.NGC 1818 と NGC 2013 の HI マップ。円=半径 15 pc を示す。 双方で、HI 放射は星団からのようには見えず、近傍のもっと大きい 構造からのように見える。 |
![]() 図4.Spitzer の感度から決めたダスト量の上限。 |
![]() 図5.星団内のガスとダストの割合の上限。HI と 160 μm に 対して示したが、70 μm の上限はそれらよりさらに低い。 |