GSP-Phot = General Stellar Parametrizer from Photometry は Apsis = astrophysical parameters inference system の一部で、天体距離、測光、BP/RP 分光に基づいて、数億の星のパラメター= Teff, log g, [Fe/H], MG, Rs, D, AG をカタログにする。その為に Bayesian forward-modeling を採用して、 BP/RP スペクトル、視差、G を同時にフィットする。 | GP-Phot は G < 19 の 471 M 天体を解析した。結果の精度は視差に影響 される。ω/σω > 20 つまり大体 2 kpc 以内 の天体の信頼度は高い。文献値と較べるとメタル量には大きなバイアスが認めら れ、定性的な意味合いしか持たない。我々は経験的な補正を加え、その結果 バイアスは大幅に下がった。 |
![]() 図1. 18 太陽類似星の 観測 BP/RP スペクトルと モデル BP/RP スペクトル の間の差。上段左=BPスペクトル。上段右=RPスペクトル。 下段=差。 |
![]() 図2.フィルタリングをくぐり抜けた星の割合。 |
![]() 図3.フィルタリングを抜けた星の割合と上=G等級、下=視差相対誤差の関係 |
![]() 表1.GSP=Phot と文献からとの Teff の差。 |
![]() 図6.ここで決めた Teff と APOGEE Teff の差を HR-図上でカラー図示。 上=全サンプル。下=ω/σω > 20. |
![]() 図7.Tef への減光の影響 |
![]() 表2.GSP=Phot と文献からとの log g の比較。 ![]() 図9.低精度 ω/σω < 10 の 25,169 レッド クラン天体の log g の比較。(a) GSP-Phot ベストライブラリー。(b) GSP-Phot MARCS ライブラリー。(c) GSP-Phot Phoenix ライブラリー。 .ここで決めた Teff と APOGEE Teff の差を HR-図上でカラー図示。 上=全サンプル。下=ω/σω > 20. |
![]() 図10.log g の比較。上:星震学 log g との差。下:差のヒストグラム。 |
![]() 図11.散開星団 FGK 星 ω/σω > 10, MARCS モデル [Fe/H] と星団文献値との比較。上:LAMOST による較正前。 中:LAMOST による較正後。下:LAMOST による較正後。 |
![]() 表3.GSP=Phot のベスト [Fe/H] と文献値 の比較。 ![]() 図12.局所バブル (ω > 20 mas) 内星の Ao 分布。 破線= 0.07 mag スケール長の勾配(?)。赤線= av50 減光評価 Anders22. ![]() 図13.GSP-Phot Ao と av50 による Ao の差。 |
![]() 図16.距離分布 |
![]() 図18.split-epoch validation dataset のポラメターペアの比率。 |
![]() 図19.Teff - Ao 縮退。カラーは log g を表す。赤色巨星の Teff 幅が小 さく、Ao 幅は大きいことに注意。 ![]() 表4.インフレイションファクター。 |
Gaia DR3 の主な特徴は 220 M 天体の BP/RP スペクトルの公開である。
この論文では、 CU8 Apsis モジュールの一つ GSP-Phot が G < 19 の
471 M 星から得た物理量を説明する。強調すべきは、GSP-Phot が各天体を
単独星で、変光なしと仮定していることである。GSP-Phot は PARSEC 等時線
を用いて Teff, log g [Fe/H], MG などの物理量が整合すること
を保証している。 しかし、現在 GSP=Phot は距離と絶対等級を直接には与えない。そのため、 GSP-Phot から得られる距離は Gaia DR3 の視差によりフィルタリングが 掛かる。例えば、これはほぼ全ての WD を撥ねる、さらに、視差が負の天体に 対しても全て撥ねられる。それ以外では、このフィルタリングは種族による 偏りはなく、 通常 G < 13 の明るい星を除いて 80 % 以上の完全性を 示す。 |
しかし、GSP-Phot には以下のような欠点がある。
1.視差精度が低いと距離を低目に見積もる。 2.減光は正という拘束を掛けているため、低減光では大きめになる。 3.[M/H] は大きな系統誤差があり、定量的用途には使えない。 LAMOST によ る較正を済ませた値は使用可能である。 4. BP/RP スペクトルが低分散なため、Teff と Ao の間に縮退が存在する。 恒星温度の増加が減光の増加で補償されるからである。赤色巨星の Teff 幅 が小さく、Ao 幅は大きいことに注意。 |