The Extended Giant Branches of Intermediate Age Globular Clusters in the Magellanic Clouds II.


Aaronson, Mould
1982 ApJS 48, 161 - 184




 アブストラクト

 AGB 先端と年齢 
 マゼラン雲の赤い星団中の上部 AGB 星について報告する。星団の写真近赤外 サーベイは半分以上終了した。 JHK 測光からそれらの星団の大部分は伸張巨星枝 を有する事が判った。これはそれらが中間年齢であり、銀河系球状星団と異なる 事を意味する。大きな星団に対しては、上部 AGB 光度関数が共通であるという 仮定の下に年齢を推定できる。より小さな星団では年齢の上限が得られる。

LMC と SMC の星団年齢差 
 年齢の正確な較正とは別に、AGB 先端等級のはっきり異なる分布は星団の間で 年齢が大きく異なっていることを意味する。平均すると、 LMC 中間年齢星団は SMC 中間年齢星団より若い。そしてそれらの AGB 先端には赤い炭素星が位置する。 しかし、 LMC は銀河系球状星団と同じくらい古い球状星団を含むのだが、その ように古い星団は SMC には見つかっていない。

二色図のズレ 
 巨星枝を下がると、 (J-K, V-K) 二色図上では興味深い現象が見られた。 マゼラン雲の比較的暖かな巨星は銀河系フィールド、星団巨星の系列から かなり離れて分布するのだ。この効果の原因を考察した。どれも無矛盾な 有効温度の導出を複雑にする。

 メタル量増加速度 
 最後に、マゼラン雲の年齢・メタル関係を論じた。メタル量増加の割合は 太陽近傍よりは速いが、銀河系ハローよりは遅い。
(m-M)o = 19,7(LMC), 19,3(SMC)

表1 調べた星団のリスト






図1.星団の写真。



表2.星団星の等級、光度、有効温度。



図2.SMC 星団星の JHK 二色図。四角=可視スペクトルがある。 黒四角=炭素星と判明。曲線=銀河系の平均ライン。



図3.LMC 星団星の JHK 二色図。三角=可視スペクトルがある。 黒三角=炭素星と判明。曲線=銀河系の平均ライン。破線=銀河系の 二種類の超巨星。





図4.炭素星の (J-K) - Teff 関係。実線は Mendoza, Johnson 1965 より取った。このラインを Teff の決定に使用した。白丸=視角測定 により有効温度が実測された6つの炭素星。ここでは J-K は Johnson システムで与えられていて、この論文の他の部分で使用され ている Frogel et al 1978 システムと異なる事に注意。



図5.マゼラン雲と銀河系の星団非炭素星 (J-K, V-K) 二色図。実線=銀河系 フィールド星の平均線。破線=論文中で述べた別ライン。短破線=銀河系球状 星団範囲。



図6.SMC 星団の H-R 図。黒印=炭素星。温度は J-K から決めた。矢印は 特異星 NGC 121 V8 が炭素星でなく M-型星とした場合の移動を示す。



図7.LMC 星団の H-R 図。他は図6に同じ。


図8.幾つかの星団について温度を V-K で決めた H-R 図。

図9.AGB 上最終光度と年齢との関係。実線= ηR = 0.5, Y = 0.22, Z = 0.001 モデル。半エラーバー=PN放出マスを半分とした時。 短破線=PN放出なしで Mould,Aaronson 1980 の星団年齢上限を与える。 長破線= ηR = 0.7 の場合。
(この図が年齢の根拠なのか? )



表4.マゼラン雲球状星団中の炭素星人口調査



表5.星団年齢評価の比較。



図11.Searle, Wilkimson, Bagnuolo 1980 星団の WLB タイプと Mbol, m の関係。黒印=炭素星を含む星団。

図10.Mbol, m = 最も明るい星の輻射等級、の ヒストグラム。星団は年齢で印を付けた。年齢は図9から決定。



図12.マゼラン雲球状星団の年齢・メタル関係。破線=Pagel の 単純モデル。実線= Twarog 1980 の観測年齢・メタル関係。