変光観測の最初のページに戻る

木曽VERA天体観測の解析 両側ダーク補正版 (01/04/16)


まず、1月と2月のデータからAPPHOTOで得られた等級をもとに作ったグラフを考察することから始める。

図1. 1月の等級と、1月と2月の等級差

分散の大きいA-Fの6個の星(上の図参照)を除くと、最小2乗の直線は比較的水平になりそうなことがわかる。
これら6個の星は、等級比較のグラフでは以下のところにプロットされる。

図2. 1月の等級と、2月の等級比較

これらの星は、他の星に対して特別な影響(画面のはしのケラレ、感度むら、ノイズなど)を受けた、 と考えるとして、とりあえず除外してみても、y=x、45度の直線からは、ずれて分布している傾向がみられる。

この傾きの変化は、1月と2月で、カウントにゲタがある影響と思われるので、そのゲタを補正を試みる。

図3. 1月のカウントと1月と2月のカウント差

先の6個の星のうちA星は、右上の高いところに出ている。これは、何か特別な影響によるとみて、 その他の星でゲタを求める。

下図は、y=-20000付近を拡大してみたもの。

図4. 1月のカウントと1月と2月のカウント差(拡大版)

かなり水平に分布していることがわかる。
上図よりゲタの量は、-14852と求められる。
2月のカウントから、14852引く。
カウントがマイナスになってしまうものが出たため、2月のカウントに4000を加える。
同様に、1月のカウントにも4000加える。
 (→はじめに、1月のカウントに14852足す方が方法はスマートだった。)
これらの値から、1月と2月の『インストゥルメンタルマグニチュード』を求める。

下図はその等級値を使って、1月と2月の等級を比較したもの。
きれいに45度の直線にならび、暗くなるにしたがって分散が大きくなっている様子が見られる。
Aの星も、ずっと左側に来ており、分散の大きいところにあることがわかる。
あとの5個の星も分散の大きいところに入っているものと思われる。
 →要確認

図5. ゲタの補正をしたあとの1月と2月の等級比較

下図は、等級の差について調べたもの。
きれいに水平にならぶ。

図6. ゲタの補正をしたあとの1月の等級と、1月と2月の等級差

今日(01/04/16)の結論


1月と2月の星のカウントには一定の差がみられる。
最初にみたグラフには、それらのデータを、そのままAPPHOTOにかけた影響である。
このゲタは何によるのか。
ダークの引き方に、まだ問題があるのか。
このゲタをAPPHOTOに認識させ、処理することはできるのか、それともできないのか。
 →マニュアル要確認
測光標準星を、どのように使うのか。
ゲタがあれば、APPHOTOで求められる各星の等級差は変わってくる。

まずは、カウントの差をなくす方法を確立すること。
図6は、ゲタの補正がきちんと行われれば、ある等級での観測の誤差は評価できる、ということを示している。

次に、オンフォーカスとオフフォーカスの問題をきちんと評価することが残されている。 それができれば、いよいよ、ミラ型星の変光観測の誤差を評価することができる(!?)。

変光観測の最初のページに戻る