レーザーを用いた赤外光学系/可視チャンネルの光軸チェックをおこなう。
手順は以下のとおり
- (1)まずレーザーを天板に垂直に,光軸中心をとおるように撃つ
- (2)そのレーザーが可視CCDの視野中心に行くかを画像をとってチェック
- (3)赤外チャンネルの副鏡瞳を測定し,その中心がレーザーの中心にくるように
ANIRデュワーの傾きを調整
レーザ−を天板に垂直に入射
下図のように,天板上に大型ミラーを設置し,さらに
光軸中心に小型ミラーを設置する。
小型ミラーの中心にレーザーがあたって,その反射光が
レーザー射出部にちょうど戻るように、全体を設定する。
今回はレーザー射出部と小型ミラーの間隔は2.9mとなっている。
CCD画像のチェック
この状態で,以下のようにミラーのみを取り除いて,
CCDで画像を取得する。
ちょうどど真中を射貫いている!
オッケー。
赤外チャンネル画像のチェック
さらに、そのままでANIRのフィルターをJ/Hにして画像を取得したところ、
非常にひろがったスポットがみえた。
レーザー発信時の発熱によるthermal放射を見ているのか?
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ダイクロイックミラーを入れた状態でのレーザースポット。中心位置は(300, 480)あたり
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ダイクロイックミラーを抜いた状態でのレーザースポット。中心位置は(490, 480)あたり
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ダイクロイックミラーを抜くと,中心位置が ~190pixずれ、より検出器中心に
近い位置にスポットが動いた
ダイクロイックミラーの厚み(10mm)による光軸のずれは
10mm / cos(a) * sin(45-a)
となる。ここで、
sin(45)=n sin(a)
より、a=27.7 deg となるので、ずれは ~ 3.4 mm程度。
これは、検出器上で183ピクセルに相当し、今回の測定結果とconsistentである。
赤外瞳位置の確認
懐中電灯を下写真のようにレーザー射出位置の周囲を動かして,画像の明るさ
の変化より瞳の大きさと中心を測定する。
詳細なconfigurationは以下のとおり。
結果,
- 焦点位置から3000mm離れた位置で測定した瞳像のサイズは(なんか変な表現だ),
直径355mm
=> miniTAOの副鏡サイズは、焦点位置から2675mm離れた位置で223mm
(望遠鏡パラメータ)なので、
250mm程度にならないといけないはず。
コールドストップ(オフナー副鏡押さえ)が大きすぎる?
- ダイクロイックミラーを入れた状態での瞳中心は, (x=47mm, y=50mm)
- ダイクロイックミラーを抜いた状態での瞳中心は, (x=27mm, y=30mm)
=>アラインメント用レーザーはこちらにあわせた
なお、座標系はレーザーで出した天板中心の光軸を原点とし、向かって左が
X軸正方向,上がY軸正方向としている。
この結果から、実際のビームの向きはちょうど
ダイクロイックミラーにそって(天板T字の縦棒方向)
曲がっていることがわかる。(下図)
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右:青線がダイクロイックミラーがないときに赤外チャンネルの光軸,赤線が
ダイクロイックミラーが入ったときの光軸
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結果,
- 赤外チャンネルのビームは,天板に対しておおよそ0.8度曲がっている
(これは、デュワー窓から見えるバッフルのずれの量,方向共にconsistent)
- ダイクロイックミラーのウェッジによって、さらに0.5度ビームが曲げられる。
この量はダイクロイックミラーのウェッジ角0.5度とconsistent
- 天板を望遠鏡に取り付ける際,モータードライバ側のを4mm程浮かして取り
付ければよいはず。
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