ダイクロイックウェッジ角見積り(1)

山室さんによる簡単な光学設計

ANIR のダイクロですが、大雑把な計算をしてみました。

t〜10 の場合、ウェッジ角は 0.53deg が良好です。

この場合のスポットダイアグラムを添付します。
計算条件は下の通りです。
 ・λ=1.25μm(紫)、1.65μm(青)、2.2μm(緑)を重ねて描画
 ・重ねて描いてある円はλ=1.25μm のエアリーディスク直径
 ・各々を囲っている正方形は 100μm角
 ・入射光線は無収差
  (望遠鏡を仮定していないので、純粋にダイクロによる
   悪化のみを計算している)
 ・ウェッジ基板は石英を仮定し、45deg に傾けて配置
 ・視野の5箇所を計算
  結像位置は各スポットの下に添えてある通り。
  (図の並びは ZEMAX が適当に描いています)

結果を見ると、ウェッジを付けても非点収差が残りますが、
視野中央では無視しても良い程度、視野端では伸びが
λ=1.25μm のエアリーディスク直径と同程度くらいです。
シーイングが良好だとこの非点収差が見えてくる可能性が
ありますが、それほど優位ではないと思います。

なお、色収差も見えていますが、バンドパスを通すので
これは問題ないでしょう。

以上のようなところで、t=10 でも行けそうですが、可能なら
t=7〜8 にできると少し余裕が出そうですね。

手短ですが以上よろしくお願いします。