納品されたダイクロイックミラー (1)

(2008/11/12)

いよいよダイクロが納品された。
二枚つくってもらったので、二セットのデータがある。

大変お待たせしました。
近赤外ダイクロイックミラーの測定データをお送りいたします。
まずはこのメールで、分光透過率データを数値ファイルにて
お送りいたします。
(面精度のデータとウェッジ角の測定値は、この次のメールで
お送りします)。

> 1)多層膜
>> ダイクロイックミラーの設計ですが、可視域でも反射率が
>> 取れるよう、層数をアップしてみました。
>> 添付のテキストデータをご覧下さい。
>> (透過曲線は入射角45度、P偏光とS偏光の平均値です)
>
> *7/28にお送りした「ダイクロ設計値-3.txt」を膜設計値として使用
>
> 入射角45度において
> *R (average) > 90%  0.4 - 0.86um
> *T > 90%  0.95 - 2.4um
> *T(average) > 95%  1.8 - 1.9um

今回は、ダイクロ現物を測定しました。
T(50%)付近の波長がほぼ狙い通りに決まったため、結果的に
透過帯、反射帯とも期待通りの値を得ることができました。
膜の層数が多い割りには、リップルも最小限に抑え込むことが
できたと思います。

ダイクロイックミラーの透過率
あとは面精度情報
> (面精度のデータとウェッジ角の測定値は、この次のメールで
> お送りします)。

多層膜コーティング面の反射波面をZygoレーザー干渉計
を用いて測定しました。測定結果が、添付のファイルです。

有効形(より若干大きめ)のアパーチャーにおけるpv値で あります。 厚い干渉膜をコーティングしたことを考慮すると、悪くない値 に抑えられたと思っています。今回も、コーティング後の膜の 圧縮応力(結果的に凸面になります)を見越して、「わずかに 凹面にしながら、無水石英のウェッジ角を作り出す」よう指示 しましたが、そのさじ加減がうまくいったのかもしれません。 ウェッジ角については、コーティング前の状態に全品測定し、 蒸着工程に回しました。 研磨責任者からは「46.40 - 46.45分」に仕上げた基板を、蒸着 工程に回したとの報告を受けております。 仕様が「46.8分 +/-1分」なので、これまた狙いに近いです。 今回は、弊社を製造メーカーとして選んで頂き、どうもありがとう ございました。 近赤外波長域については、これからもチャレンジしていきたい と思っております。 どうぞこれからも、よろしくお願いいたします。