- Paα(2008/3納品) : 77Kおよび常温の再測定
77Kで、2008年3月に納品されたPaαフィルターの再測定を行う。
これは、前回の測定でBPFの膜が十分に冷えきっていない疑いがあったためである。
なお、前回同様に2セット納品されたうちの、25167301-0002 の測定を行った。
フィルターは、以下の順序でホルダーに格納して測定を行った。
ホルダーの下側から
ID 25167301-0002 |
0.1mm シムリング |
BPF |
0.2mm シムリング |
SPF |
0.2mm シムリング |
LPF |
シムリングいろいろ |
の順で格納された。
なお、測定光源はホルダーの上側(上表でいうと下側のフィルター)から入射する
また、多層膜コート面が入射側に来るように配置されている。
これは、BPFの膜面ができるだけ早く冷えるようにするためである。
- (1)全波長帯の透過率
前回に比べて、迷光防止の対策が効いて、ベースラインがかなり低くなっているのがわかる。
ただ、相変わらず0.数パーセントのオフセットがあるようではあるが。
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0.6 - 3.0umでの透過率。黒実線が 77K, 赤破線が 常温 である。 |
- (2)ID 25167301-0002のバンドパス性能
- 温度による波長シフトはほとんどなく、前回の心配は杞憂であった
- ピーク透過率が前回(65%)よりも有意に高く、80%超となった。迷光対策と関係あるのか?
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(下) ID 25167301-0002のバンドパス性能。黒線が77K、赤線が常温。破線は、デフォルトの位置から
フィルターを数ミリずらしたときの値。
(上) 破線:5600mでの大気の透過率と、実線:そこでこのフィルタを用いた場合のeffectiveなバンドパス特性。 |
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