ANIRフィルター透過率試験(6)

(2008/8/8)

  • Paα(2008/3納品) : 77Kおよび常温の再測定
    77Kで、2008年3月に納品されたPaαフィルターの再測定を行う。
    これは、前回の測定でBPFの膜が十分に冷えきっていない疑いがあったためである。

    なお、前回同様に2セット納品されたうちの、25167301-0002 の測定を行った。 フィルターは、以下の順序でホルダーに格納して測定を行った。
    ホルダーの下側から
    ID 25167301-0002
    0.1mm シムリング
    BPF
    0.2mm シムリング
    SPF
    0.2mm シムリング
    LPF
    シムリングいろいろ
    の順で格納された。
    なお、測定光源はホルダーの上側(上表でいうと下側のフィルター)から入射する
    また、多層膜コート面が入射側に来るように配置されている。
    これは、BPFの膜面ができるだけ早く冷えるようにするためである。
    • (1)全波長帯の透過率
      前回に比べて、迷光防止の対策が効いて、ベースラインがかなり低くなっているのがわかる。
      ただ、相変わらず0.数パーセントのオフセットがあるようではあるが。
      0.6 - 3.0umでの透過率。黒実線が 77K, 赤破線が 常温 である。

    • (2)ID 25167301-0002のバンドパス性能
      • 温度による波長シフトはほとんどなく、前回の心配は杞憂であった
      • ピーク透過率が前回(65%)よりも有意に高く、80%超となった。迷光対策と関係あるのか?
      (下) ID 25167301-0002のバンドパス性能。黒線が77K、赤線が常温。破線は、デフォルトの位置から フィルターを数ミリずらしたときの値。
      (上) 破線:5600mでの大気の透過率と、実線:そこでこのフィルタを用いた場合のeffectiveなバンドパス特性。