76KでのHAWAII2-Engの読み出し試験

(2008/12/24 : 本原)

*これ以降、新クロックパターン(pixel rate=PP*0.2usec)を使っている!!

まずは画像を取得してみたところ、縞々が。 とはいえ、しばらくすると消えていった。 ただし、

  • はしっこにはのこる
  • 今度は,行末だけでなく行頭にも現れる
という状態。
本当に初めて撮ったフレーム。 coadd=1だとこんなかんじ かなり落ち着いてきた状態。行頭にも縞が少し出ている

●読み出しノイズ
以下のconfigurationでいまのところベストの値である
 5.5 ADU rms/readout
が出た。
  • 検出器からの信号線と電源線のシールドをつないで、そのまま、というのが一番よかった
    • さらにそれをGNDにつないでも効果無し)
    • さらにクロックシールドをつなぐと極端に悪化
  • 冷凍機とデュワーを結合 => 効果無し

●Conversion Factor Measurement
以下のconfigurationでおこなった。
  • filter =Pa alpha
  • 懐中電灯でてらす
  • ウィンドウはキムワイプ3枚で光を散乱
取得データは以下のとおり。
  PP    NExp    CoAdd   ClkTyp  Fint
  20    2       1       10      1000    ANIA00004272.fits
  20    2       1       10      1000    ANIA00004273.fits
  • 全体が4700カウントぐらいでてらされている
  • フレーム内の明るさの傾斜は10%程度
    → 変な迷光とかはいまのところなさそう
結果は
 count=4726 ADU
 sigma=48.52 ADU
これより、
   2.01 e-/ADU
くらいになる。
結果,読み出しノイズは 11e-rmsくらい
●Readout Noise by Ramp Sample
Ramp Sampleで読み出しノイズをチェック
  PP    NExp    CoAdd   ClkTyp  Fint
  20    2       1       10      0       ANIA00004303.fits
  20    2       1       10      0       ANIA00004304.fits
  20    4       1       11      0       ANIA00004305.fits
  20    4       1       11      0       ANIA00004306.fits
  20    8       1       11      0       ANIA00004308.fits
  20    8       1       11      0       ANIA00004309.fits
  20    3       1       11      0       ANIA00004310.fits
  20    3       1       11      0       ANIA00004311.fits
  20    16      1       11      0       ANIA00004314.fits
  20    16      1       11      0       ANIA00004315.fits
  20    8       1       11      0       ANIA00004316.fits
  20    8       1       11      0       ANIA00004317.fits
これから出てきた読み出しノイズは
  NExp=2        6.12 ADU rms (通常のCDS)
  NExp=3        11.9 ADU rms
  NExp=4        8.88 ADU rms
  NExp=8        6.13 ADU rms
  NExp=16       4.35 ADU rms

●Voffsetの調整
Saturation LevelがADCのレンジ外に出ていたのでしらべる。
波形は以下のとおり。
なお VoffsetA=1.75V であった
A-B
A'-B'
A''-B''
Dark Level。緑がA系列,黄色がB系列。 Saturation Level
出力のDCレベルは以下のとおり。
                 Dark            Saturation
V_A / V_B        2.7 V / 2.3 V   2.2 V / 2.3 V
V_A'/ V_B'       2.9 V / 3.05V   2.35V / 3.05V
V_A"/ V_B"       1.75V / 1.1 V   3.5 V /-0.7 V

VoffsetA=0.7Vにしたら大丈夫になった。
しかし,よく考えるとこの値は,当初大澤くんが設定した値(0.8V)に非常に近い。
結局,検出器の乗ったアレイは当初予想通りの出力を出していたということになる。
(逆に,MUX出力は信じてはだめということ)
改善後の波形は以下のとおり。
A''-B''
Dark Level Saturation Level

●Saturation Level
というわけで、光を入れてsaturation levelをチェック。 おもなフレームは
  PP    NExp    CoAdd   ClkTyp  Fint
  10    2       0       10      0       ANIA00004400.fits
  10    2       1       10      0       ANIA00004401.fits
  10    2       1       10      2000    ANIA00004404.fits
  10    2       1       10      300000  ANIA00004470.fits
  10    2       1       10      20000   ANIA00004471.fits     => 前面を懐中電灯でてらして、完全にさちらせる。
どうやら、上の方よりも下の方がサチュレーションレベルが10%程度高いみたい。
それにしても、73000e-くらいでサチッテしまっているのか?
#               IMAGE      NPIX      MEAN    STDDEV       MIN       MAX
         ANIA00004471   1048576    36840.     2218.     2323.    44224.
露出中に全面を懐中電灯でてらしてさちらせたフレーム。

●問題点,改善点など
  • ADCのトリガは立ち下がりにかかるのに、立上りにかかると思ってクロックを作っていた そのため、ちょうどピクセルの切替えの瞬間にトリガがかかっていることになる。
    => 改善済み (clkgen.ANIR.c を変更)
  • どうもスタンバイモードでリセットがかかっていない
  • 露出時間の計算が正しくない
  • PP=20だとスキャンに4秒 のはずが、4.5秒くらいかかっている感じがする