• Chapter 6. Secondary and Tertiary Mirrors
    • 6.1 Introduction
      副鏡、第3鏡は主鏡に比べると小さいのでチャレンジは減る。
      すでに 8m 鏡の実績あり。しかし、副鏡は凸面なので複雑さは増える。

    • 6.2 f/15 Secondary Mirror
      20分視野を確保する。
      鏡筒は短くしたい。
      Gregorian 光学系を採用すると、光学検査には都合がいいが鏡筒が長くなるので CELT には採用しない。
      SOAR 4.2m 鏡用の汎用技術を使いたい。

    • 6.2.1 Optical Fabrication
      副鏡製作には3つのチャレンジ要素がある。
       凸面である。
       球面ではない。
       AO に対する許容が厳しい。
      凸面の検査は困難があり、凹面鏡試験はできない。
      部分干渉法で試験する。
      低次の誤差は十分な精度で試験可能。
      1m 鏡を使ってできるだろう。
      研磨の最終段階では高精度な検査が必要であり、20分割ぐらいして測定しそれをつなぎ合わせて行う。
      研磨では小さすぎる研磨治具による鏡の縁でのエラー、非球面量などに起因する困難がある。
      KECK、CELT、SOARの比較を示す。
      ScondaryAspheric departureDeparture/sizeAstigmatism on 10% tool
      Keck0.46mm6.7e-48.8μm
      CELT1.54mm7.8e-428.9μm
      SOAR(Primary)0.98mm4.7e-418.7μm
      CELTの副鏡研磨はKeckより数倍困難であろう。
      解決策の1つはKeckの1/2のToolを使用することであるが研磨時間が長くなる。
      Keckの経験から、試験とアナリシスの時間が研磨時間より長くなる。
      CELTの副鏡には幸か不幸か AO を使う。
      AO は低次の補正はできる。
      高次のエラー誤差には不十分である。
      AO アクチュエータのスペーシングは 30cm、副鏡上で 4cm、そのための研磨精度は 10nm。
      次のフェーズで製作方法を検討する。

    • 6.2.2 Passive Mirror Support System
      副鏡は重力、姿勢変化に対する十分なサポートが必要。
      詳細はまだだが簡単な検討は行っている。
      口径 3.96m、10cm 厚。
      Zerodur が鏡材候補。
      メニスカス形状。
      約 3.2 トン。
      Axialサポート 60 個。
      重力による変形誤差は鏡面で 15nm rms。
      セグメント主鏡による誤差に比べて小さい。
      Multi-conjugate AO(MCAO)(Chapter 9)で収差を検討する。
      in-plane支持機構の詳細はまだであるが SOAR、Gemini、VLT を参考にすると特別な困難はない。
      60 本のアクティブアキシャルサポートとラテラルサポートで可能である。
      詳細検討はまだだが 3.2トンを支えることはできるし、今後2トンまで減らす予定。

    • 6.2.3 Active Mirror Support System
      Active control of mirror shape
       passiveサポートシステムは、設計製作で精密さと精度が必要。
       エラーは自動的に重ねられていく。
       1080 個のセグメント主鏡の位置調整、tip-tilt調整は副鏡のエラーを小さくするのに重要である。
       副鏡60本のアクチュエータの能動制御が前提。
       Look-upテーブルでアキシャル力支持を行う。
       問題は、その誤差が主鏡によるものか、副鏡によるものか区別することである。
       主鏡の形状測定にはエッジセンサーを使用。
       センサーの誤差が大きくなると主鏡の低次のエラーが増える。
       軸上の星と軸外の数個の星を使用して修正する。
       低次のエラーは主鏡、副鏡を切り分けるのは困難である。

      Active control of mirror position
       2段階のアクティブサポートが必要。
       望遠鏡構造の preliminary 解析から、副鏡は 20mm 可動。(Chapter 7)
       20mm の駆動制御には hexapod サポートを使用する。
       0.1mm の精度で位置制御を行う必要がある。
       ラテラル方向の動きで 100μm は 0.4秒角の像移動があり、0.04秒角のコマ収差がでる。
       副鏡の軸方向 1mm の移動で、ピンぼけは 3秒角。
       副鏡の温度変化の影響は 10℃ で 5mm 以下。
       移動範囲を 100mm で、1ステップ 50μm(2000:1) のものは製作可能。
       ミスアライメントで像移動とコマ収差がでる (Section 4.4)。
       像移動は望遠鏡移動、副鏡移動、第3鏡移動によっておこる。
       コマ収差は主鏡の形状変化、副鏡の移動によっておこる。

      Active compensation for wind loads
       重力と温度による影響に加えて風も重要。
       望遠鏡の風力によるパワースペクトル詳細検討はまだ。
       エンクロージャーとスリットの開口によって、新たな対流が発生し、望遠鏡筒先に影響を与え、Karman 渦を発生させる。
       それは望遠鏡のラテラル方向の振動を引き起こす。
       ドーム外の風速 15m/s までの制御を想定している。
       Keckドームの風洞テストでエンクロージャは望遠鏡筒先の影響を少なくとも 1/2 にすることが解っている。
       Gemini 望遠鏡での最近の測定結果は同程度の結果が出ている。
       風速 7.5m/s での構造的外乱は 0.25Hz を想定。
       副鏡で起こる振動渦のパワーは約 0.2v/Dsecまたは 0.4Hz である。
       風の影響を補正するために、アクティブ制御を想定。
       周波数は 1Hz 程度を想定。
       CELTの重要課題である(詳細はChapter 7)。

      Chopping and Nodding
       赤外線領域では、天体の信号を凌ぐバックグラウンドがある。
       それには星を2または3点で chop するのが有効である。
       CELT には有効なテクニック。
       副鏡を早く動かすのはチャレンジングである。
       望遠鏡の筒先の振動数は 5Hz。
       副鏡は 1Hz 以上を想定。
       10秒角のチョッピングは効果的。
       それには約 200μm のアクチュエータ移動が必要。
       0.05秒角の繰り返しには約 1μm のアクチュエータの繰り返しが要求される。
       アクチュエータのストローク(100mm) を確保するためには 100000:1 のダイナミックレンジが必要。
       シングルデバイスでは困難。
       2段階のアクチュエータ制御が必要。
       次のフェーズで検討。

    • 6.3 Adaptive Secondary Mirror
      オプションとしてアダプティブ副鏡を検討中。
      口径 2m 以上は無理かも。
      副鏡のトレランスは 6.2 で述べたものと同じである。
      この additional secondaryの 主な目的は低次の波面誤差を補正することであり、重力変形は大きな影響ではない。
      副鏡は AO システムでの制御を想定。
      この副鏡の長所はエミシビティの除去である。
      次のフェーズで詳細を検討。

    • 6.4 Tertiary Mirror
      Tertiary mirror は約 3.1m x 4.4m、厚さ 10cm。
      鏡材は Zerodur。約 2.7トン。Passive Support で可能。
      能動支持機構は約 2トン。

    • 6.4.1 Optical Fabrication
      フラットミラーなので製作はシンプル。
      星の光束?(footprint)は 1.33m。
      シーイングリミットの鏡面精度で良い。
      AO を使用するときは多少違う。
      2分角の視野で光束は 90mm 移動する。
      その場合の鏡面形状ズレは 10mn 以下である。
      大きなサイズの研磨パッドが効果的である。
      第3鏡は副鏡より簡単である。

    • 6.4.2 Passive and Active Support
      第3鏡は副鏡と同程度の大きさである。
      サポートも同様であろう。
      鏡はより焦点に近いので副鏡より許容値が緩やかである。
      しかし、波面に関しては同じである。
      光束は第3鏡では 1.33m と副鏡より小さい。
      これは波面誤差の空間周波数を低くする傾向にある。
      これらのエラーを AO で補正するとき、それがどこに起因するか慎重に見極める必要がある。
      第3鏡は光学系では主鏡から 6700m の位置に共役し、その波面誤差は MCAO のデフォーマブルミラーでは補正しきれない。
      これらの DM は主鏡と高度約 3km から 10km の大気層と共役の関係にある。
      このことは AO システムでは補正しきれないものである。
      星の光束(1.33m)による波面エラーは小さく、14nm 程度である。

    • 6.4.3 Motion Requirement
      第3鏡は直接ナスミスの観測装置に導入するために、高度軸を通すものと通さないものも想定している。
      主鏡光軸周りに回転する。
      両ナスミスのために回転範囲は 180°。
      もう1つの回転軸は、主鏡軸に垂直で高度軸 (X軸) に対して Y軸方向のものである。
      範囲は ±14°。
      この回転にはベアリングを使用。
      ロータリーエンコーダはシンプルなもので良く、位置検出センサーも十分。
      詳細は Kuhlen(2001)参照。

    • 6.5 Primary, Secondary, Tertiary Control
      副鏡の動きは検討したが、駆動系、精度はまだ決定していない。
      いくつかの異なった駆動機構が像ぶれの原因である。
      0.05秒角の精度で制御する必要があるのか ?、
      また 1個のメカニズムで制御が十分なのか ?...
      ガイダーを使用することで、どんな像ズレも迅速検出し補正をかけることで良いのかもしれない。
      詳細は次のフェーズ。