ASTROS使用者手引

ver.1.00 1992/02/24      半田利弘

観測プログラム本体

 最新情報がeuropaのa:\obs\readme.docに書かれているので、一度は読んでおくこと。 なお、このファイルの1行目がeuropa起動時に赤字で自動表示されるので、まだ 読んだことのない日付に更新されているときは、必ず1回は読むこと。

 観測プログラム本体(実行ファイル)は、europaのaドライブのobsにインストール されている。europaでは、このディレクトリィにパスがきってあるので、そのまま、 どのドライブからでも起動できる。プログラム本体は、このディレクトリィ内の バッチファイルから起動するのが正規の使用法である。バッチファイルは以下の とおり。

  1. onoff

     位置スイッチおよび周波数スイッチ観測を行ない、アンテナ温度スケールのヘッダー 付きファイルをセーブする。オプションパラメータとして必ずスケジューラファイルの 基本名(拡張子として.scdを仮定)を入力すること。スケジューラファイルは カレントドライブ・ディレクトリィにあると仮定している。

     スケジューラはプログラム起動時に直ちに作業ファイルにcopyされ、以後オリジナル にはアクセスしないので、フロッピーなどに書かれている場合は、ドライブから はずして別のパソコンなどで覗いてもかまわない。

     起動すると、セーブするドライブ名、最初のAzElオフセット値、観測者氏名を 順に聞いてくる。

     スケジューラ実行中にどれかキーを押すと、次の点の積分開始直前にプログラムは 一時停止し、コマンド受付状態となる。コマンドは「T:気象パラメータ更新」 「F:AzElオフセットパラメータ更新」「A:スケジューラ中断」の3つ。大文字・ 小文字の区別は不要。リターンは必要。3つのうち一度には1つしか更新できない。 Fについては差分で与えることに注意(次項参照)。これ以外の文字を入力すると、 何も更新せずにスケジューラの続きから観測を続行する。

     取得したデータをsgrに記録したい場合は、観測プログラム起動以前にNFSコマンド でnfsのバッチプログラムを起動しておくと、kドライブがsgrのファイルシステム の一部に相当するようになる。現在nfsのkドライブのルートディレクトリィは sgrの/europa/newになっている(このディレクトリィをUNIX側ではマウントポイント という)。セーブするディレクトリィの(相対)パスは、そのドライブのカレント ディレクトリィなので、特定のサブディレクトリィにセーブしたいときは、その ドライブのカレントディレクトリィをcdで変えておけばよい。

  2. track

     器差ファイルパラメータ取得用のトラッキングを行なう。バックエンドデータは 取得しない。オプションパラメータとして必ずスケジューラファイルの基本名(拡張子 として.scdを仮定)を入力すること。スケジューラファイルはカレントドライブ・ ディレクトリィにあると仮定している。

     スケジューラはプログラム起動時に直ちに作業ファイルにcopyされ、以後オリジナル にはアクセスしないので、フロッピーなどに書かれている場合は、ドライブから はずして別のパソコンなどで覗いてもかまわない。

     起動すると、最初のAzElオフセット値を聞いてくる。

     スケジューラ実行中にどれかのキーを押すと、ただちに追尾を中断し、AzEl オフセットパラメータ入力モードとなる。AzElを分単位で1行で入力する。 AzとElとの区切りは空白またはコンマ。補正値は直前の絶対値に対する差分で 与える。即ち、「0,0」を入力すると変更されない。画面表示は絶対オフセット値 である。ここで、。「next」と入力するとスケジューラの次の行へ進む。 「end」と入力するとスケジューラを中断し、DOSプロンプトへ戻る。 これ以外の文字を入力すると、数字として解釈するのでオフセット値に異常が 生じる可能性がある。

  3. move

     アンテナを移動させる。

     起動すると、直ちに装置チェック画面・観測画面となり、どの方向へ向けるのかの AzElを聞いてくる。AzElを度単位で1行で入力する。AzとElとの区切りは空白または コンマ。器差補正は受けず、エンコーダ値そのものを向く。

     アンテナが移動し終わると再びAzElを聞いてくる。

     「rest」と入力すると、アンテナ標準レスト位置(180,-1)を向いて静止する。 1992年2月21日現在、この向きで屋根を閉めることができる。「end」と入力すると プログラムを終了し、DOSプロンプトへ戻る。 これ以外の文字を入力すると、数字として解釈するのでオフセット値に異常が 生じる可能性がある。


関連ファイル

 観測プログラムが実行中に使用しているファイルは以下のとおり。 特にディレクトリィa:\tele\admは履歴として使っているファイルばかりが 入っているので無闇にeditしないこと。

  1. a:\tele\prm:機械性能・大気状況

    a:\tele\prm\meteo.dat
    気象データファイル(観測プログラムにより更新時は自動的にアクセス)
    a:\tele\prm\tau.dat
    大気の天頂での光学的厚みデータファイル
    a:\tele\prm\ant.prf
    アンテナ能率データファイル
    a:\tele\prm\rx.prf
    受信機ステータス記述ファイル
    a:\tele\prm\aos.prf
    AOS分散係数データファイル
  2. a:\tele\dev:機械特性

    a:\tele\dev\kisa.dat
    アンテナエンコーダ器差パラメータファイル
    a:\tele\dev\nsk.dat
    NSK初期化パラメータファイル
    a:\tele\dev\reap.sec
    暦表時とDOS形式UTとの差(潤秒)
    a:\tele\dev\rs24b.dat
    24B-NSK間RS232Cパラメータ設定ファイル
    a:\tele\dev\488a.dat
    488A用タイミングディレイカウントファイル
    a:\tele\dev\waitaos.dat
    AOS用タイミングディレイカウントファイル
  3. a:\tele\adm:観測管理

    a:\tele\adm\scan.num
    スキャン通番保持用ファイル
    a:\tele\adm\using.scd
    スケジューラ実行時作業ファイル
    a:\tele\adm\scd.num
    使用スケジューラオリジナルファイル名

handa@ioa.s.u-tokyo.ac.jp