スペクトラムアナライザの原理

スペクトラムアナライザはヒューレットパッカード社(HP社) が開発した測定装置で、判りやすくいえば、簡易分光器である。

その原理は、スーパーヘテロダインミキサーと狭帯域フィルターと検波器の 組合せである。

スーパーヘテロダインミキサーはlocal oscilatorからの高周波と 入力高周波信号とを混合し、その差分周波数の信号を発生させる。 これを狭帯域フィルタに通して検波すると、1チャンネルの分光器と することができる。 これを多数並べたものがフィルターバンク分光器である。

さて、local oscilatorの周波数を変えると、フィルターの特性を 変更しなくても、入力信号の異なった周波数での強度を検波出力信号と して得ることができる。 そこで、local oscilatorの周波数に比例した信号を横軸電圧とし、 検波出力を縦軸電圧とすると、モニター上に分光スペクトルを 表示することがアナログ回路だけで構成することができる。 これがスペクトラムアナライザーの原理である。

したがって、スペクトラムアナライザーの(動作モードの)を 特徴づけるパラメータとしては、 local oscilatorの周波数を変化させる際の中心周波数、 local oscilatorの周波数の変化幅、 狭帯域フィルターの帯域幅 がある。 これらは分光器を特徴づけるパラメータと対応している と考えることができ、順に、分光器の 中心周波数、バンド幅、分解能に対応する。 スペクトラムアナライザーでは、それぞれ、 中心周波数、周波数スパン、分解能バンド幅 と呼ばれる。英語では、center frequency, frequency span, resolution bandwidthと呼んでいることが多い。

分光器にはないパラメータとしては、 周波数が元に戻る周期(の逆数としての周波数)がある。 これは、 さらに、検波器出力に対してlow passフィルターをかけることも 可能なものが多く、これはvideo bandwidthと呼ばれる。