受信機位置合わせ
注意
- 空の状態などの変化の影響を受けないように、一連の測定は手早く行う。受信機室内で行うのが望ましい
- 受信機室内の気温が変わると精度が落ちるので、ドアを開けっ放しにしない
使用するエコソーブ
測定原理と方法
- パワーアンプ(PA)のモニタ出力にパワーメータ(PM)をつなぐ
- PMの設定は以下の通り
- GP-IBボタンがREMOTEになっていたらLOCALにする
- Modeは通常dBmになっているが、リニアスケールにするためWATTにする
- AVERAGEボタンを押すと、値のふらつきがならされて測定精度が上がる
- Rとskyを入れてPMを読む
- RとskyでPMのRANGE(1,2,3,4,5のランプ)が変わったら、PAのattenuatorを調整してRANGEが変わらないようにする
- アンテナを(Az,El)=(180,89)に向ける
- 副鏡の北半分をabsorberで覆ってPMを読む
- absorberの電波吸収面(青っぽい方)を受信機側(下)に向ける
- 取付の様子
- absorberを南北にそれぞれ10mmずつずらしてPMの読みの変化を見る
- 読みの変化が10mmあたりdP10[mW]だったとする
- このとき、副鏡を覆った測定(後述)でPMの読みがdP[mW]変化した場合は、
副鏡上でビームが(dP/dP10)*10[mm]ずれていることになる
- ビーム半径は副鏡上で35.8[mm], カセグレン焦点では5.2[mm]である
- したがって、El軸出口を覆った測定(後述)でPMの読みがdP[mW]変化した場合は、
El軸出口上でビームが(dP/dP10)*(10*5.2/35.8)=
(dP/dP10)*1.45[mm]ずれていることになる
- 厳密には、カセグレン焦点(第三鏡上にある)とEl軸出口とではビーム半径がやや違うが、
その差は数%なのでOK
- 副鏡の北半分をabsorberで覆う
- アンテナを(Az,El)=(0,89),(90,89),(180,89),(270,89)に向けてPMを読む
- アンテナを往復させて、1点につき2回(以上)測定して平均をとるほうがよい
- Az=0,90,180,270でのPMの読みがそれぞれ
PN(SR),PE(SR),PS(SR),PW(SR)だったとする
- dPNS(SR)=PN(SR)-PS(SR)とすると、
副鏡上での光軸のずれdxNS(SR)はdPNS(SR)/dP10*10[mm]である
- 東西方向(dPEW(SR)=PE(SR)-PW(SR))についても同様
- アンテナを(Az,El)=(180,89)に向ける
- El軸の出口の北半分をabsorberで覆う
- absorberの電波吸収面(青っぽい方)を受信機側(Az軸側)に向ける
- 取付の様子
- アンテナを(Az,El)=(0,89),(90,89),(180,89),(270,89)に向けてPMを読む
- アンテナを往復させて、1点につき2回(以上)測定して平均をとるほうがよい
- Az=0,90,180,270でのPMの読みがそれぞれ
PN(El),PE(El),PS(El),PW(El)だったとする
- dPNS(El)=PN(El)-PS(El)とすると、
El軸出口上での光軸のずれdxNS(El)はdPNS(El)/dP10*1.45[mm]である
- 東西方向(dPEW(El)=PE(El)-PW(El))についても同様
- 南北方向の受信機位置のずれdxNS,傾きdthetaNSは
- dxNS[mm]=0.65*dxNS(El)[mm]-0.22*dxNS(SR)[mm]
- dthetaNS[rad]=-0.0049*dxNS(El)[mm]+0.00047*dxNS(SR)[mm]
で求められる
- 東西方向についても同様に
- dxEW[mm]=0.65*dxEW(El)[mm]-0.22*dxEW(SR)[mm]
- dthetaEW[rad]=-0.0049*dxEW(El)[mm]+0.00047*dxEW(SR)[mm]
受信機の位置と傾きの調整
- 出てきた値を参考に受信機の移動・傾きの調整を行う
- dxNSが正なら受信機が北にずれている
- dxEWが正なら受信機が東にずれている
- dthetaの符号については不明
- 位置は受信機台の東西南北についている大きなネジで押して調整する
- 傾きはデュワーの下にshimをはさんで調整する
- 移動量は計算で出てきた値よりも控えめにする
- 位置と傾きがじゅうぶんな精度で合うまで測定・調整を繰り返す