VSTの屋根の開閉手順
概論
VSTの屋根はスライド式で、駆動モーター2個で前後2本のレールに
沿って設置されたラックに噛んで開閉する仕組みになっている。
2本のラックの両端には、それぞれスイッチが取り付けてあり、
これが前後とも押される(and論理)ことで屋根の全開・全閉を
判断するようになっている。
開閉釦スイッチの直上にある緑色LEDが、このスイッチの状況を表示している。
開閉釦スイッチは、押すとその動作を開始する。動作中は、釦に
内蔵されたランプが赤く点灯し、動作が完了すると行先の状況を
示す緑色LEDが点灯して、釦の赤灯は消灯する。
具体的手順
屋根を開く手順
- 電源投入後の初回および、緊急停止後の初回は、
一旦、Az電源を投入する必要がある。
オレンジ色に点灯しているresetを押しながらAzの駆動モータ電源を投入する。
- 屋根開閉のopen釦を押す。
釦自体が赤く点灯する。
- 屋根が完全に開くと、赤灯が消えopenの緑色LEDが点灯する。
- 上記の赤消灯緑点灯を確認する。
確認できないばあいは、動作が完了していないので、
以下の操作で屋根開閉用モータの保護をすること。
- 屋根の両側を手で押す。動作の抵抗が大き過ぎたり、
屋根が斜めになっているために、「全開確認スイッチが2つとも押される」
という状態になっていないため。
- 上記で、動作完了が確認できない場合は、emergency stopの大きな
赤釦を押し、一旦、電源を落す。
屋根を閉める手順
- moveやハンドセットでアンテナのElを下げ、
-0degの緑色LED(0degのとは別)が点灯する位置で止める。
この状況になっていないと、屋根閉釦は動作しない仕様になっている。
- 屋根開閉のclose釦を押す。
釦自体が赤く点灯する。
- 屋根が完全に閉じると、赤灯が消えcloseの緑色LEDが点灯する。
- 上記の赤消灯緑点灯を確認する。
確認できないばあいは、動作が完了していないので、
以下の操作で屋根開閉用モータの保護をすること。
- 屋根の両側を手で押す。動作の抵抗が大き過ぎたり、
屋根が斜めになっているために、「全閉確認スイッチが2つとも押される」
という状態になっていないため。
- 上記で、動作完了が確認できない場合は、emergency stopの大きな
赤釦を押し、一旦、電源を落す。
その他のトラブル
- 冬季に開き側屋根に着氷が起ると、これが歯止めになって
しまい、屋根が開けなくなる。屋根ヒータースイッチを入れ、
電熱で時間をかけて溶かしてから、再度、挑戦すること。
- VST1でLED点灯と赤点灯とが矛盾する場合には、広野GPIB回路が
誤動作の原因となっている可能性がある。
広野GPIB回路箱が接続されている場合は、必ず、その電源を投入して
おくこと。
開閉動作開始直後や完了直前の僅かな時間を除けば、緑色LEDと赤灯とが
同時に点灯することは本来起りえない。
- 全開・全閉を調べるマイクロスイッチが動作不良になる可能性がある。
不審な場合は、スイッチを指で押すとか、取り外して分解修理・新品交換を
行うこと。