NICE PROJECT


概要    装置    恒星天文学





概要


赤外シミュレーター1.5mに設置




NICE
Near Infrared
Cross-dispersed
Echelle spectrograph


 近赤外線での観測は可視光線に比べて星間ダストによる吸収が小さいのに加え、H, He, Na, Si, H2, CO 等の輝線・吸収線スペクトルや、ダストによる熱放射連続スペクトルを観測することができます。そのため、分子雲ガスに囲まれた星や、大質量星の質量放出に起因する輝線などの観測が可能です。

 NICEとは、田中研究室で開発した赤外エシェル分光器です。分光方式としてはエシェル+クロスディスパーザを採用し、中程度の分解能で、近赤外の幅広い波長域をカバーしています。 NICEは2000年春に詳細設計開始、 2001年12月に First Light を迎え、これまでO・B型星、Wolf-Rayet星、Yellow Hypergiant、Limunous Blue Variable、Carbon型星等の観測を継続的に行ってきました。

 現在は、さらに高度な観測を行うため、NICEのハード・ソフトの改修を行い、ハワイのマウイ島ハレアカラ山の2m望遠鏡に設置、観測する準備を進めています。




装置


 NICEは4つの波長域を分割して観測することができます。この4波長域はお互いに波長の切れ目なく繋げることができ、結果として0.9〜2.4μmの幅広く切れ目のない波長域のデータを取得することができます。波長分解能は2800(2秒スリット)、および5300(1秒スリット)であり、大気吸収線を分離するのに十分大きな値を持っています。


NICEの外観



 装置のスペックは次の通りです。

[1]観測波長域

観測モードフィルタクロスディスパーザ観測可能波長域(μm)
IF-IJCD-J0.90〜1.19
JF-IJCD-J1.17〜1.46
HF-HKCD-H1.44〜1.80
KF-HKCD-K1.73〜2.45

※一般の測光バンド(I,J,H,K)とは波長域が異なるので注意


[2]波長分解能

使用スリット波長分解能(λ/Δλ)注記
1"5300ピクセルスケールリミット
2"2800 

[3]光学系について

機器特徴注記
スリットモード1"×9"
2"×9"
close
空間スケールはIRS使用時
搭載フィルタIJ
HK
K
Brγ
open
close
IJ,HKフィルタは可視光の一部も透過
エシェルCD-I:63〜75次
CD-J:51〜63次
CD-H:42〜53次
CD-K:30〜43次
反射型 40x90mm 金メッキ
24.35[lines/mm] BraseAngle=70deg
CDモードCD-I
CD-J
CD-H
CD-K
mirror
 
検出器NICMOS-3
(HgCdTe 256×256pix, 40μm/pix)
 
搭載ランプKr
Ar
Halogen
波長較正用輝線、連続線ランプ
スリットビュワBitran BJ-32L 

NICE全システム(入射窓〜検出器)の受光効率は、11%(1.0μ)〜20%(2.0μ)


NICEの内部写真
NICEの内部図面
(画面を押すと拡大できます)


[4]サンプルデータ

 NICEを通じて以下のような結果を得ることができます。


サンプルデータ1(画面を押すと拡大できます)


サンプルデータ2(画面を押すと拡大できます)





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