ドームふじ聞き取り調査報告


日時:  2004年1月9日18:30-20:15

場所:  国立極地研江尻研

参加者: 藤井理行、江尻全機、田口真、家正則、小林尚人


1)ドームふじは昭和基地から約1000kmで極点までの中間点。

標高2800mの極点より高い3800mで南極最高点の4000mに近い。

南極の広大な東南極氷床の北側に位置する。ドームCは南側で約2000km

これまで3期、9年に渡り、冬隊8名が越冬して維持していて2年間の気象

観測データがある。


2)1995-96年の2年間の測定では、

年平均気温-55C。 年平均風速5.4m/秒でドームC

の測定値より大きめに出ているが、測定器を地表10m以上の場所に

設置しているため大きめの風速が出ている感がある。

風速20m/秒を越すことは無い(と思われる)。


3)南極の大氷床は空気が冷えて安定成層し、下降流が常に流れる高気圧

下にあり、低気圧が侵入できないため、年間を通じて晴れ、風も穏やか。

氷床の斜面では風が強いが、頂上付近は弱い。海岸部は低気圧の接近時は

暴風となる。冬至前後に低気圧が内陸に近づくことがあり、天気が悪くなる

ことがある(そのとき気温が10度ほど高くなる)。


4)夏至前後2ヶ月は白夜となる。夏隊は12月5日から1月23日まで滞在。

出発は11月初め、帰国は2月末。夏期の気温は-35程度までにあがり、冬季は-70度くらいになる。

日変化は+-10度程度。太陽が昇らない時期は昭和基地では5月30日

から7月13日まで。


5)眼視の雲量測定では年平均3.2。ただしうすい雲も雲と認定。冬季には

極域成層雲(PSC)と呼ばれる可視域で赤く光る硝酸霧雲が発生することがある。


6)ケープタウンから70人乗りのイリューシンを国際共同チャーター

(100万/人)。

ロシアの基地から高度3000m地点まではドルニエの飛行機をチャーター

して飛べる(300万/人)。そこからドームふじまでは450km、雪上車で5日。

より大型の飛行機ならドームふじまで直接飛べる。


7)来年度は多分2度飛行機チャーター便を飛ばす。費用は1人約500万。

シーイングモニターが30kg程度の機材なら、追加で運ぶこともできる。

シーイング測定や気象観測については共同計画としてさらに詰めることは現実性がある。

5-6年先までの計画を常に検討している。中規模以上の共同研究はそれ以降?


8)装置は-20Cくらいまではケーブルを耐寒被覆にする程度でエレキ系も使える。

-40Cとなるとヒーターなど別の工夫が必要。


9)3000mの厚さの氷は表面から100mの深さで積もった雪の密度が

  1. 8g/cm^3程度となり200mの深さで0.9g/cm^3の

氷となる。


10)建物はパイプを建てその上にプラットフォームを敷き、その上に建てる。

  不等沈下はジャッキアップで調整。重いと雪を圧縮して沈下があるだろう。

  ドームふじの建物は数千万で自力建設。アメリカの極点基地は200億。


11)しらせは毎回1000トン(うち400トンは燃料)を運ぶ。新規建造

船の運搬容量は? 大量に運ぶときは砕氷船+輸送船も可。

アムンゼン・スコット基地のC130はフライトあたり10トン運べ、年

70フライトを運航。


12)極点に米国が運営しているアムンゼン・スコット基地はC130で

大量物資を投入している。滑走路を作るのは簡単。


13)発電プラントが必要だが南極条約で原子力発電等はできない。オイル備蓄は昭和基地で400トン(しらせで運ぶ)、アムンゼンスコット基地で3000トン(C130)。


14)どんな大型建造物でも軽量化が必要(スペースほどではないが)

 昭和基地のVLBIアンテナは80トンのものを32トンに軽量化。


15)極地研 年間南極予算規模

 総計45億 うちしらせに30億(防衛庁と一緒での乗員が172人と

多い)。  他15億で雪上車などインフラが8-9億と研究機器残り。